性愛論 (河出文庫 は 21-2)
性愛論 (河出文庫 は 21-2) / 感想・レビュー
青蓮
1回読んで途中で挫折して今回新たに挑戦。何とか読み切りましたが、私には難しかったです。「猥褻」の理論や観念から始まり、性別とは何か、性愛倫理、戦後日本で出版された性愛のテキストなどについて論じているのですが、第4章はキリスト教も絡んでくるので理解が追いつかず。ただ、性的行為、愛情表現、婚姻というものの矛盾をどうにか統合しようとして結局それが果たされずに性解放運動へと突き進んでいくのは面白く感じました。最終章はフェミニズムについて触れていてそれも興味が引くところです。
2019/08/16
ころこ
解説を上野千鶴子が書いているように、ジェンダー論として読むこともできます。しかし、社会学としてのアカデミックな読まれ方よりも、恋愛幻想はもとよりサディズムやマゾヒズムが文学のテーマとなるように、小説を読むひとに向いているのではないかと思います。「性愛を成り立たせている作用力は、身体の相互性の至近距離では、権力よりも、そしてときに原語よりも、強力にはたらく。」著者はいつも明確にすることを目的にしていますが、本書でそれは際立ちます。性愛関係は無意識が規定している体系を描き出す構造主義そのものだともいえますし、
2021/08/06
原玉幸子
性愛倫理では、全然頭に残らない退屈な論説箇所もありますが、私の卒論のテーマでもあった「猥褻論」や、現在でも通じる「性別論」(著者の「女性と女性以外」に関連して慌ててスラヴォイ・ジジェク『性と頓挫する絶対』のM/M+の頁を繰りました!)等は、「ふーん、成程」どころではない「へへぇー」ってひれ伏す論説で、自身の選書のエロ本的?との「不純な」動機を恥ずかしく思いました。文学的表現も直截的表現もあり、正しく事象の掘り下げを実感出来る読み物です。(論説や、ちゅうねん。)(◎2023年・夏)
2023/06/10
ジエチルエーテル
神学的な秩序も形而上学的な構成の努力も欠けている空間に、過剰な性愛技法が移入されたところに生じる混乱、目下のわれわれを巻き込んでいるものはこれである。そこでは、正則な現象として聖化されるはずの家族が、聖化されることのない性愛をめぐる中心の欠けた空虚な祭式として営まれかけている。
2019/04/05
Astro_amane
本のタイトルだけで選びました。 結構難しい表現があり、難しかった。 もっとすらっと読めるタイプかと思ったが ゴリゴリの論理思考で、少し哲学にも通じる様な? 第3章だけは楽しく読めました。他は飛ばして読み
2021/04/04
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