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南方熊楠: 近代神仙譚 (河出文庫 さ 38-1)

南方熊楠: 近代神仙譚 (河出文庫 さ 38-1)

南方熊楠: 近代神仙譚 (河出文庫 さ 38-1)

作家
佐藤春夫
出版社
河出書房新社
発売日
2017-11-07
ISBN
9784309415796
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南方熊楠: 近代神仙譚 (河出文庫 さ 38-1) / 感想・レビュー

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さらば火野正平・寺

盛り上がってはいないが、今年は南方熊楠生誕150年である。しかしお陰でこんな本が復刻された。河出文庫は朝ドラ『あさが来た』の時も織田作之助『五代友厚』を復刻していて嬉しいのだが(これらのお陰で私は佐藤春夫や織田作を初めて読んだ)、いずれも表紙が肖像写真にタイトルだけという、岩波文庫の表紙よりつまらなそうな装丁なのが残念である。本書は熊楠と同郷同時代人である佐藤が、生前からまことしやかに伝えられる熊楠の伝説を廃し、史料を元に実像を讃える1冊。短いながらなかなか面白い。佐藤の昭和天皇対面記が興味深かった。

2017/11/11

じゃがいも

明治という時代の高揚が生んだ豪快な怪物。直情径行、傍若無人、語学23ヵ国語、若い時の放浪生活でアメリカでのサーカス団、ロンドン大英博物館員時代の浮浪者のようなぼろぼろの服、60過ぎて冬の熊野山中を浴衣で70日粘菌採取した体力、ロンドンで会った孫文との親交、晩年の天皇熊野行幸での御進講とキャラメルの箱に入れた粘菌の標本をお土産物を出したこと、当時エコロジー思想をもち神島の自然を政府の神社統号令に盲従する知事から守ったこと、金銭に恬淡だが生涯貧窮など面白いエピソードが豊富で佐藤春夫の明治的な名文が冴える。

2019/11/05

でろり~ん

一気読み。熊楠の新しい本が出たのかな、と思って即買いしたのですが読み始めて、アレ? 言葉が時代がかっているなと感じて、著者の名前を見てビックリ。同郷だというのも初めて知りました。それにしても出版界も独自の世界感があるんでしょうね。生誕150周年とはいいながら、特に熊楠祭りっぽい動きはないですし、再出版もこの文庫ぐらいなのかもしれない。著者は熊楠の家庭生活についてはほとんど触れていないのですが、霊感についての考察は著者ならではの物言いでした。奇人を否定する世間になってしまったのはいつからでしょ。著者も奇人。

2017/12/30

dani

何かの小説でキャラメルの箱を持って現れていた覚えがあるが、あれはフィクションだったんだー。まぁ、不思議な偉人。偉人さはあまり分からなかったが。

2023/10/11

まんぼう

粘菌はとてもひっそりひっそりと生きている。愛おしい生き物だ。ただ、ひっそりしすぎていて見過ごされてしまう。そんな植物と動物の狭間に存在する生き物の生態から、生物の生と死の状態、宗教的死生観にまで広がる一文が非常に強く印象に残った。ただひたすらに純粋に、知的好奇心と超人的行動力、そして一切構わず追及していく情熱が羨ましく、憧れる

2023/09/05

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