児次郎吹雪・おたふく物語 (河出文庫 や 39-1)
児次郎吹雪・おたふく物語 (河出文庫 や 39-1) / 感想・レビュー
はつばあば
周五郎さんの奥様とその妹さんの事を書かれていると昔聞いていたのですが、他の周五郎さんの本に引っぱられていつの間にか忘却、読み友さんのレビューで思い出した次第。周五郎さんが愛した奥様と貞二郎が周五郎さんに重なって、幸せだったからこそこのような市井の話が書けたのだろうなぁと。「おたふく」にしても「かあちゃん」にしてもいじらしい女は愛嬌が満載です。好きだと一途な想いに、駆け引き無しのおたふく姉妹だからこそ幸せになれるのですよねぇ
2018/09/20
ぶんこ
全編ほっこり。明治時代の作家さん!ですが、まったく古さを感じない文章でスラスラ読めます。表題作2編、それ以外の作品もどれも市井に暮らす庶民の人の良さ温かさに溢れていて楽しい読書となりました。特に「おたふく物語」のおしずさんの天真爛漫さが秀逸。つい家族に怒ってしまう自分を反省して、お手本にしなくては。一家の主婦がおしずさんのように明るくて前向きだと、家族から周囲の人たちまで幸せにできるのだなぁと痛感。周五郎さんファンとなりました。
2018/12/17
キムチ
再読。文体もテーマも古い。だが一人でも、この本にふれ、周五郎の世界の香りを感じて魅力に虜となってくれるかなと感じさせる一冊。「おたふく」三部作は短編の連作化。今では死語?のおたふく〜その持つ意味と空気→周五郎が愛してやまなかったものが何か、少し判るかも?三編は市井の生活を細やかに描きつつ、その間に流れる情感を写しだす。ラストは昭和活劇みたい。些か時代かかるけど、上から目線を好まなかった周五郎が、また、よく分かる。
2018/09/18
チェアー
他人のことを自分より優先する。苦労しても、それを愚痴らない、誇らない。そんな人たちがかつてはいたのだということを思い知る。「おたふく物語」からは、好きな人と一緒にいることがどんなに幸せないことなのか。「かあちゃん」からは家族とはなにか、を学び、かくありたいと思ってしまう。ひょんなことから訪れた山本周五郎を読む機会。読めてよかった。
2018/08/19
tomoka
山本周五郎作品は、私をそれた道から戻してくれる。定期的に読みたい作家。
2021/07/08
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