焦心日記 (河出文庫 し 26-1)
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焦心日記 (河出文庫 し 26-1) / 感想・レビュー
水色系
ジュンク堂のフェア「最果タヒ書店」で発見した本。最初推しへの止まらない妄想と課金のくだり等に爆笑しながら読んでたら、途中とある出来事をきっかけに内省的になっていく(そこで文体も変わる)様子に胸が痛くなった。アヤさんにはアヤさんでいてほしいと会ったこともないのに強く思った。
2023/09/02
かのこ
作者の(たぶん)本当の1年間の日記。少年アヤさんは私が高校生くらいの頃、自らを「おかま」と称していたブロガーさんだった。当時からその鋭すぎる切り口と毒のあるユーモアが好きだったけれど、そういう彼の性的なアイデンティティに対し色々なことを思えるほど、私は大人ではなかった。前半はとても面白い。アイドルを神と崇める彼自身のあけすけすぎる暴走記に涙と笑いが止まらない。極彩色の地獄。…なのだけれど、中盤から、これは別の物語になる。一人の人間が、自分とそのルーツに徹底的に向き合い、戦い抜く、いわば戦記に変わっていく。
2021/02/12
yokki
「アイドルに救われ、アイドルに裁かれ、つまるところアイドルは神そのものです。」
2019/09/09
もよこ
強烈に惹かれるのは、コンプレックスの裏返し。キラキラ輝くアイドルになりたい。普通の男の子になりたい。ゲイであり、かわいいものが好きな少年アヤ。「おかま」として生きてきたけれどやっぱり性自認は男で、だけど周りの「男」のようには生きられない彼がそんな自分と向き合い、受け入れていく。自分は性自認に悩んだことはないが、周囲が期待する「女」として生きられないことに不安を感じないわけではない。そして、周りに同じように悩む人たちがいる。そんな中で彼の葛藤と克服は私に寄り添ってくれた。これからも何度も読み返したい本。
2020/02/28
YUMINSU
通勤本。すっかり読書から遠ざかっているのでリハビリとして読みやすい日記を選んでみました。ヲタクの欲望が赤裸々かつ面白く綴られていて予想通り読みやすかったのですが途中から妄想が物語的に広がってなんだかすごかった…。でも時々これは私と私の推しのことだ、と思ってしまうところが間違いなく自分もヲタクだと痛感。
2018/11/07
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