青が破れる (河出文庫 ま 20-1)
青が破れる (河出文庫 ま 20-1) / 感想・レビュー
はっせー
秋から冬になるときの夕方のあの冷たい空気感を感じることができる作品となっている!中編が1つ。短編が2つ本に乗っている。やはり良かったのはタイトルにもなっている青が破れるである。ボクサー志望の秋吉。秋吉の周りに色々なタイプの人間がいる。だがどれもみな共通しているのが危ういということである。触ったら割れてしまうガラスのような存在であるということ。そんな人たちとの関わりで秋吉の焦りだったり考えを知ることができる。この本はまさに霧の匂いが漂う作品であると思った。破れるという言葉のワードセンスが絶妙であった!
2022/06/22
アキ
青春ですなあ。Toi booksで購入のサイン本。磯上竜也さんと著者と大前粟生さんは「全身が青春」で詩日記を交換する仲。若者の愛の形を感じさせてくれる。「青が破れる」はボクサーになりきれない主人公が、人妻に溺れる弱さと、友人の病身の彼女と病院のベッドで添い寝するなど定まらない心を表す。周囲の人たちの死によって、青が破れても、彼には走ることしかできないのだ。第53回文藝賞受賞。「脱皮ボーイ」・「読書」・マンガ「青が破れる」、最後に対談で新しい作品を読んで初めて前の作品の評価がされると言うのは確かにそうだな。
2020/02/13
ユザキ部長
読みにくい。あえて平仮名を使ってるのか?句読点の位置も変に感じた。話としては深いんだろうけどイマイチ理解できなかった。何となく目にして手に取った本でしたが残念。
2019/08/07
TAKA
平仮名の使い方が読みにくいなあと思うんだけど馴れてくるとまったくでした。あえて平仮名使ってるのは独特の感性として捉えればいいのかな。『青が破れる』俯瞰的な感じがした。現実のものであってなんか現実ではない。死と対面しているからなのか捉え方の問題かな。主人公より梅生の存在感がいい。尾崎世界観の対談は面白かった。嘘くさくなければブレてもいい。感銘。
2022/07/29
里愛乍
友人とその危篤の彼女、不倫の彼女とその子供、くそスピリチュアルボクサーの梅生。彼らの何でもない日常がドラマチックにかつ淡々と綴られている。時折ピリッと刺さる言葉、起伏の激しさは抑えめながら何気に重い。「人生ってなんなの」と思考できるのは安定の証拠。「ブレないことより嘘くさくないこと」巻末の対談は眼から鱗の連続、かなり面白い。
2020/03/13
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