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しき (河出文庫 ま 20-2)

しき (河出文庫 ま 20-2)

しき (河出文庫 ま 20-2)

作家
町屋良平
出版社
河出書房新社
発売日
2020-10-06
ISBN
9784309417738
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しき (河出文庫 ま 20-2) / 感想・レビュー

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アキ

町屋良平の小説は、身体性を取り扱うものが多い。ここではダンスだが、あふれる衝動を身体で表出したくなる青年期に、からだとイメージの関係はうまく言葉にできない。16歳の高校生3人の男子と3人の女子がそれぞれの人称で語り、それを俯瞰で見る視点とで描く日常。生の音楽を聞いたり、グループ内の男女がつき合って別れたり、男同士の仲間が踊ったりする際の、無自覚の身体の感覚を手なずけていく過程を描いているのかもしれない。著者のサイン本。

2021/01/28

TAKA

卑屈さがないのがいい。今の高校生って醒めているのかと思ってたがそうでもないんだなあ。高校生くらいになると時代に沿った生き方を機敏に察知するじゃないですか。クラスに馴染めない同志の微妙な距離感がいい。反抗期の弟より母の構え方が素晴らしかった。

2024/05/01

アマニョッキ

大好きでたまらない町屋良平さんの「しき」文庫版。解説はなんとわたしの永遠のナンバーワン長嶋有さん。はいもう今年のベスト本入り決定。本作は単行本で読了済みですが、再読の今回…良かった!さらに良かった!初読のあの感動とはまた違うところが胸に刺さりまくった。読みながら何度も何度も長嶋有さんの作品に似ているなと思った。それが町屋さんへの褒め言葉になっているかは分からんけれど、わたしにとってはあの感覚を文章にしてくれる作家さんが世に2人もいるなんて最高としか言いようがない。もう好き。本当に好き。それ以外ない。

2020/10/11

Maki

貰ったことばを、舌先でころがしてみた春、宇宙のすみっこにおいやった夏、ポケットでさわってみた秋、冬あるひめが覚めて号泣してやっときづいた「わたしあのとき傷付いたんだな」その朝からことばがしぼんでいった。感情を思考しことばにすることがままならない日々がつづいて「春のにおい/春の夜のにおい/春の公園のにおい」とゆうことばを読んだら感情がうごいてことばが生まれそうな気がしてきた。生まれたことばでまた 考えてかんがえて考えつづけることを考える。いつか忘れてしまうとしても。

2020/12/19

Shun

「1R1分34秒」で芥川賞を受賞される前の芥川賞候補作。高校生男子が友達とダンスの練習に打ち込み、動画投稿サイトの”踊ってみた”動画を目指す青春小説です。若い世代の日常を描き、特徴のある文体や言葉遣いにその未成熟さが表現されているように感じ新鮮でもありました。登場人物は主に男子3名と女子3名ですが、どうやらクラスでは目立たないグループのようだ。しかし所謂非リア充や陰キャという感じでもなく、彼らは自分の好きなものを持ち大数に合わせる卑屈さはない。集団意識に振り回されない健全さが活き活きと羨ましく感じました。

2021/02/06

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