室町お伽草紙: 青春! 信長・謙信・信玄 卍ともえ 山田風太郎傑作選 室町篇 (河出文庫)
室町お伽草紙: 青春! 信長・謙信・信玄 卍ともえ 山田風太郎傑作選 室町篇 (河出文庫) / 感想・レビュー
geshi
なんでこんな巻を置く能わずのド直球に面白い伝奇エンタメが埋もれてるんだよ!怖いよ山風!信長、謙信、信玄、松永弾正という戦国時代オールスターが姫を巡る争奪戦を繰り広げるパワーに完敗。一癖も二癖もあるキャラ達が特化した力をふるい時と場所と相手をめまぐるしく入れ替えて展開されるバトルロイヤルは一寸先も予想できない。その後に起こる出来事と重ね合わせフィクションにリアルを取り込んでしまう巧さが憎らしいほど。情念や憎悪が絡まってはいても明るくカラッとした読み心地で楽しいifの世界を堪能できる快作。
2021/03/20
サケ太
荒唐無稽でありながら、話の筋立てが巧すぎるエンタメ小説。京を舞台に、四人の男たちが一人の少女を奪い合う。しかも、それが信長、謙信、信玄、松永というのだから凄まじい。少女、足利の姫を護るのが後の秀吉、日吉丸。戦国のオールスターたちをどのように争わせるか、歴史的な辻褄を合わせつつ、壮大なボリュームを一気読みさせる。元関白である行空法師と娘玉藻の因縁。信玄と父無国無人斎の関係性。剣術と妖術、戦術と策略。あらゆる要素を盛った作品。今後の歴史的展開の伏線も大いに含ませてるのがニクく、満足度が高い。
2020/12/16
あ げ こ
面白い。ただ面白い。破茶滅茶に面白い。ずっと面白い。ずっと楽しい。ただ楽しい。ただ只管に楽しい。夢中で読むとはこれ。何と言う牽引力。心憎い遊び心の数多。兎に角豪華であった。とんでもないオールスター感。ほぼみなスター級。集結し過ぎている。諸々とっくに超えてしまっているけれどもまるで気にならない、冷めない、引っかからない不思議。やり過ぎともくどいとも思わない不思議。ただただ夢のように楽しい。無類に享楽的。恐らくは知っていれば知っているだけより一層面白い類のそれなのだけれども、知らなくても十二分に面白いと思う。
2021/02/14
hatohebi
単行本以来、十何年ぶりの再読。表紙のマツオヒロミ氏の玉藻に「マラタトウ!」され(何て言葉だ)、もとい惹かれてジャケ買いした。少年・日吉丸を主人公に、応仁の乱後、下克上のエネルギー渦巻く京と堺を舞台に、若き戦国大名たちの銃と美女を巡る争奪戦を描く。山風度は低く、最後まであっけらかんとした世界。香具耶は伽羅で、玉藻はおゆらか、など風太郎ヒロインの系譜も連想するのも楽しい。新潮文庫の解説(筆者未確認)で、無人斎の元ネタは花田清輝「鳥獣戯話」とあった。こちらには種通も信長もカルモナも、玉藻の前も出て来る。
2020/12/21
やま
足利将軍の姉君をめぐり、若い日吉丸(秀吉)、信長、謙信、信玄、弾正が争う。これに明智光秀、山本勘助、玉藻、千利休、塚原卜伝などがからんだ争奪戦。アクションと喜劇が混在し面白かったです。
2021/02/06
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