JR品川駅高輪口 (河出文庫)
JR品川駅高輪口 (河出文庫) / 感想・レビュー
starbro
柳 美里は、新作中心に読んでいる作家です。全米図書賞受賞の『JR上野駅公園口』が売れたので、それに肖って、旧作を改題して文庫化したのかと思いきや、単行本化&当初文庫化した時のタイトルが、当初原案『JR品川駅高輪口』と違うということの様です。また『JR上野駅公園口』が「山手線シリーズ」第五作で本書が第四作、シリーズ全体で五部作+番外篇の6作というのも意外でした。本書はタイトルや表紙からはあまり想像出来ない、居場所のない「一人の少女」の自殺願望物語の佳作でした。続いて、第二作の『JR高田馬場駅戸山口』へ。
2021/03/22
ベイマックス
読みにくかった。電車内の見知らぬ乗客たちの会話・駅の案内アナウンスなどをこれでもかこれでもかと羅列している。内容は、自殺志願の女子高生がSNS上で自殺志願者をつのり自殺未遂をするって内容。◎『上野駅公園口』が売れている様子だったので図書館で借りてみたが、外れだったな。他のシリーズを読むかは未定。
2021/09/01
fwhd8325
とても息苦しい物語でした。元のタイトルは「自殺の国」です。ネットを通じて、自殺する仲間を求める事件は、ある時期問題になりました。最近はあまり聞かれなくなったけれど、社会は相変わらずの世の中なので、今でも同じようなことは起きているんだと思います。そんなことを考えると、ラストの描き方には疑問を感じます。尤も、破滅させることがすべてではないからどこかに希望を見いだす必要があるのかもしれません。
2022/07/07
優希
形だけの友情、形だけの家族。居場所はSNSの自殺希望掲示板。何ともモヤモヤさせられます。時折流れるJRのアナウンスで現実に引き戻される感覚を味わいました。
2022/01/19
ちえ
自殺志願者を募るネットの書き込み、山手線のアナウンス、乗客の会話・・・。高校生の百音だけではなく、小学生の弟慧の追い詰められ様・・・。いろいろな子供たちのことが頭に浮かんできて言いようがなく苦しい。途中で休みながら読んだ。若者の自殺が多い日本という国、ニュースや統計ではない、心の一面を見せられた気持ち。重たい…。それでもこれがこの国の一つの現実。
2021/06/09
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