特別授業3.11 君たちはどう生きるか (河出文庫)
特別授業3.11 君たちはどう生きるか (河出文庫) / 感想・レビュー
99trough99
中高生をターゲットに、名だたるストーリーテラー達により、東日本大震災を受けた、人生観の大転換について語られる。各自の「専門分野」中心に語られるが、自分は最相葉月さんの科学観が強く心に刺さった。とりわけ刺さったのは、文中紹介された、星新一さんの言葉「宗教は信じるものだけれど、科学は理解するものだ」。多くの市井の方からすると、何と敷居の高い要求だろう、と感じられるかもしれないが、これが真の【科学リテラシー】を言い当てた言葉なのだと思う。 私達の世界観をすっかり変えてしまったコロナを巡る書き下ろしも◯。
2022/08/05
みっちゃんondrums
3.11の数か月後に発行された単行本に、10年後の今の書下ろしを各章末に加えた文庫版。学生向けとはいえ、大人でも勉強になる。そして、当事者にもならず、何もできなかった自分に負い目を感じることはない、思い続けること、考え続けることが大切と力づけられる。コロナ禍以降の生き方・考え方の指針も示してもらえた。特に、普段は敬遠しがちなテーマの鷲田清一「倫理」、橋爪大二郎「政治」の章が分かりやすかったし、唸らされた。
2021/10/06
tsubomi
2023.03.12-03.28:2011年に執筆された内容に、震災から10年後の2021年に加筆されて文庫化したもの。中学生を想定して授業形式に歴史、地理、政治、理科、保健、 課外授業・ボランティアと各項目を別々の執筆者で分担していますが、そのせいで書いてある内容は個人個人の価値観が反映されていて、個人的に共感できたりできなかったり・・・。14歳の子が読んだらちょっと迷ってしまうかも、と思いました。全体として共感できなくても部分的にいいなと思う点もあるので今の日本社会について考えるきっかけとてしては◎。
2023/03/28
takakomama
東日大震災について9名の講師が中学生に特別授業。14歳の世渡り術シリーズに10年後の今思うことを加筆しています。阪神大震災の翌月に生まれた息子は、東日本大震災の時は高校生でした。「南海トラフ巨大地震」は2030年代に起きると予測されていますが、予知できないそうです。昨夜、東北地方で震度6強の地震があり、東日本大震災を思い出しました。生活が元に戻っても、天災を忘れてはいけない。天災はいつ起こるかわからない。備えなければ・・・
2022/03/17
みかん
語り口から中学生~大学生を対象としているととれるが、大人が読んでも得るものがある。地震のあと、よく見聞きした「がんばろう、日本」は、そのたびもやっとしたものを感じた。もし自分が何もかもを奪われた立場だったら、こんな言葉聞きたくない。あの地震はコロナと同じく、政府や人の本性をあぶりだしたものだった。もちろん自分も…。自分は小さく非力だけど、3.11を決して忘れないようにしよう。耳障りのいい言葉に飛びつかず、自分の頭でちゃんと考えよう。それにしても、800円超の文庫本は中高生には手を出しづらいのでは。
2021/11/28
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