伊藤比呂美の歎異抄 (河出文庫 い 45-1)
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伊藤比呂美の歎異抄 (河出文庫 い 45-1) / 感想・レビュー
chie
やっぱり歎異抄はすごいなと思う。歎異抄、それ自体が、私にとっては、とてつもなく有難い教えが説かれているのだけれど、伊藤さんのこの訳を読むと、親鸞の懐の大きさがダイレクトに伝わってくる様な気がする。歎異抄、書簡、和讃、正信念仏偈が、伊藤さんの悪夢の様な近況をはさみながら綴られていく。タイムスリップを繰り返している様な不思議な気分にもさせられた。これもお守りとして。
2023/02/15
こばやしこばやし
多分、初伊藤比呂美。ラジオで温い声質で、粘りのあるユーモラスな語り口が印象的だった。歎異抄の意味よりも唯円の文章を媒介に、親鸞の声をシャーマン的におろしている感じの本だった。訳の間に挟まれる「旅」と言う短い文も独特で、高く遠い視座から自己を客観的に捉える一方、自己の目から見たものを脳内で分析する過程も簡潔に捉えていて面白かった。正直、一回では味わい尽くせませんでした。和讃の温かみは訳によるのか、内容によるのか分からないが、発心させる力は感じた。
2022/07/06
チェアー
こちらは詩人による歎異抄。ほとんど詩の形で現代語訳されている。こちらの方が原文に近く、読みやすい。ただ、説明が少ないので高橋源一郎訳を好む人もかなりいるだろう。 短期間で歎異抄を繰り返し読んで、少し親鸞の考えが伝わるようになった。ただ、こんな一知半解な思いが傲慢さにつながるのかもしれないが。
2024/01/17
Rico.genge
高橋源一郎さんの歎異抄に続き伊藤比呂美さんの歎異抄を読みました。高橋さんが「僕の解釈」とおっしゃっていたのに対し伊藤さんは「なるべくその通りに訳した」とおっしゃっていましたがその通りでした。読む順番として「高橋→伊藤」で間違っていなかったと思いました。予備知識ゼロだった私にとっては高橋訳で全体を把握した後に伊藤訳で一つ一つの理解を深めるという順序がとてもしっくり来ました。17歳の夏休みに祖父の家に滞在中、毎朝大きな仏壇の前で祖父と一緒に意味も知らずにお経を読みました。あとは阿弥陀様におまかせするだけです。
2024/01/20
ヒトコ
実家は浄土真宗で本来西本願寺派だったが、今は大谷派のお寺に世話になっている。私はキリスト教系の幼稚園に通っていたが同居していた祖父は何も言わず送り迎えしてくれた。その後禅宗系学校にも行き、結婚式は神前。いいかげんだ!しかし、平家物語にハマり冒頭の「諸行無常」で仏教に興味持った私が最初に読もうと思ったのは「歎異抄」だった。祖父が唱えていた「南無阿弥陀仏」でやはり我が家の宗教だと思ったらからだ。なんちゃて仏教徒の私には、「歎異抄」や馴染みのある「正信偈」「和讃」を平易な言葉で語ってくれているのはありがたい。
2024/09/23
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