白い薔薇の淵まで (河出文庫)
白い薔薇の淵まで (河出文庫) / 感想・レビュー
やいっち
最初は濃厚な性愛シーンにポルノチックなものを感じ、退屈な小説なのかと思ったら(大概のポルノ小説は読み出して間もなく退屈で飽きる)、途中から読むほうのギアもあがって、持ち帰って読んでしまった。読了直後の印象として、傑作だと思った。書かれた(公表された)のは20年ほど前。LGBTなど今日ほどは理解が進んでいなかったし、同性愛…レズも同様。当時にあって、レズ小説を本格的に書くのは社会的抵抗も想像以上のものがあったろう。語り手は三十路の美人で仕事も立派にこなしている。男性の彼氏もいる。が、心底惚れるのは女性。
2021/11/05
佐島楓
読み終わってからしばらく椅子から立ち上がれなかった。それくらい衝撃を受けた。こんなに圧倒的な恋に落ちてしまったら、あらがうことなどできるのだろうか? 最初から最後まで、張り詰めた切実さに満ちみちていて、書かれるべくして書かれた作品だということがよくわかった。復刊された作品だということで書店でたまたま手に取った一冊だった。こういう出会いがあるからリアル書店が大事なのだし、企画してくださった方々にもお礼を申し上げたい。
2021/11/13
まこみや
アッチッチ、と開高さんなら言うかもしれない。愛という狂気をかくも一途にかくも濃密に追求して、ついには死の淵に向かう。クールなことがイケてるという昨今の風潮に染まっていた私の胸ぐらを、熱い情念の渦でつかんで引き摺り回した。10年の絶版状態を経て、この度河出文庫から復刊された。20年前には同性愛のレッテルを貼られたようだが、現在では100%完璧な恋愛小説として読み手を圧倒するに違いない。ただ気をつけた方がいい。日常性の中に埋没した弛緩した精神は火傷する恐れがある。否、むしろ火傷してもらいたいくらいである。
2022/03/11
ナミのママ
第14回山本周五郎賞受賞作。今年復刊。年度末のベスト作品雑誌やネットで何回か見かけた今作。基本的に恋愛ものは読まないが気になって手にとる。スマホもパソコンもない時代か?のんびりとした部分もあるが“色恋“部分は濃厚。精神的によくない相手なのに肉体関係が最高…というある意味地獄の関係が延々と続く。どの登場人物も幸せに思えない。たしかに帯どおりの“完璧な恋愛小説“ではあるけれど。私にはあわなかった。どろどろの恋モノより血みどろの殺人事件モノの方が好きだ。
2021/12/24
GAKU
私には合いませんでした。
2021/12/17
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