人類よさらば (河出文庫)
人類よさらば (河出文庫) / 感想・レビュー
kinkin
1960年代から1970年代前半に書かれたものをまとめた本。高校生ころから筒井康隆にハマって新しい本が出ると何度も読み返したことを思い出した。2ページくらいの短編はその面白さが凝縮されたオチが大好きだった。本書にある「信州信濃の名物は」。「クラリネット言語」はクラリネットを購入して楽器の仕組み。練習する様が書かれているだけでもそれが面白い。そして一時期ペンを置いた理由にもなった差別用語がどんどん出てくる。いまのマスコミは絶対の禁句がぞろぞろ。でもそれがなぜいけないのだろう。本質は今もわからない。図書館本
2022/02/04
keroppi
筒井康隆の初期ショートショート集。単行本未収録の作品含まれているとのことで読んだ。筒井康隆のドタバタがなんか懐かしい感じだが、更利萬吉のマッド社員シリーズが特に面白かった。書かれたのは「就職ジャーナル」というのが笑える。ここで取り上げられる転職、テレワーク、テレビ会議が、今や常識となっていて、書かれた1971年では、とんでもない未来予想のギャグであることが更に笑える。筒井康隆の未来予想は凄い。
2022/04/10
さらば火野正平・寺
今まで文庫本未収録だったショートショート集だが、これぞ私の好きだったあの筒井康隆である。もちろん未収録だっただけはある微妙なものも無い事はないのだが、この才気溢れる芸達者振りと切れ味、笑いのセンスの鋭さ、久しぶりの筒井康隆を堪能した。社長秘書忍法帖のナンセンス、マッド社員・更利萬吉の無茶苦茶、岩見重太郎や児雷也の講談模写、クラリネット使用法の絵入り写真入り小説(ほぼエッセイなのだが)、一方で多幸感が素敵な『EXPO2000』、眉村卓との合作、どれも面白く軽快に読書が進んだ。かつてカリスマだった証明の1冊。
2022/02/15
オーウェン
筒井康隆さんのショートショート集。 たった2ページでもキレイにオチが出来上がるのが特徴で、短い方がより切れ味があるように感じる。 表題作の最後の1文なんて皮肉としか言いようがない。 連作集になるサラリーマンの更利萬吉シリーズも面白い。 マッド社員の名の通り、奇抜な考えで未来を見据えたアイデア。 それれがことごとく会社にもたらす混乱。 退職ではそっちの職業に行くのかと、笑える結末も待っている。 後書きではまだ未読のショートがあるらしいので、そちらもぜひ刊行してほしい。
2022/04/10
優希
面白かったです。未発表の短編を集めた1冊のようです。数ページの作品とはいえ、筒井節は健在ですね。起動店外の短編集といえますね。筒井ワールド健在です。
2022/02/17
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