誰にもわかるハイデガー : 文学部唯野教授・最終講義 (河出文庫 つ 1-6)
誰にもわかるハイデガー : 文学部唯野教授・最終講義 (河出文庫 つ 1-6) / 感想・レビュー
コットン
ハイデカーの哲学を全てわかったとは到底言えないが唯野教授(筒井康隆)の噛み砕いた説明が良い。基本用語について書かれていたり、大澤真幸さんの解説も参考になる。
2022/06/08
はっせー
哲学は難しい。その中でもハイデガーはなおさら難しい。そんなイメージがあった。なぜそんなイメージがあるかと思うと『存在と時間』が難解本だからである。そんなハイデガーの『存在と時間』をあのSF作家の筒井康隆さん扮する唯野教授が解説するのがこの本になっている。筒井康隆さん自身も『存在と時間』を完全にわかっているわけではない。そのため苦労しながら分かりやすく書こうとしているため理解しやすい。唯野教授と一緒に深いハイデガーの思考という海を泳げる贅沢な時間を過ごせる。皆さんもぜひ読んでほしい本である!
2022/09/26
HANA
『存在と時間』は昔読んで速攻ギブアップしたのだが、本書はその内容を著者らしく笑いを交えて語っており、エッセンス的な部分が抽出され極めて分かりやすい。『存在と時間』この本から自分なりに理解した部分としては、「死」を見つめ直す事による世界の再構成的な内容かと。何となく哲学より宗教的な内容のように思えるかな。個人的には厄介な哲学用語を日常的な言葉に置き換えて示してくれるのがありがたい。「現存在」って言われてもわけわかんないが、「人間」って訳されると腑に落ちるのね。本書を手掛かりにもう一度原書読んでみたいな。
2022/04/17
Vakira
「存在と時間」。理系が考えたくなるテーマ。量子力学ではどう解釈するのか判りませんが、古典物理学では「時間なくして存在はない」です。時間がない世界では物質は存在しません。物質には必ず分子があり、原子だけの時もありますが、原子の集合体が物となります。その原子は陽子の周りを電子が回っている形となってますのでそこにはエネルギーと時間が存在します。原子の存在は時間で成り立っている事になるので、時間がなければ存在もないという事になります。さてこの本。哲学者ハイデガーの「存在と時間」を筒井康隆さんが解説。
2022/03/30
こばまり
誰にもわかるとあるが嗚呼アホの哀しみ、うっすらとしかわからない。ご本人がとてもやれない、二度とないと仰る程なのに、こういうの楽しいからもっと読みたいなどと軽々しく思ってしまうのもアホ故か。併録の大澤真幸氏の解説が、私には新約聖書の理解も深まって有難い。
2023/04/17
感想・レビューをもっと見る