横溝正史が選ぶ日本の名探偵 戦後ミステリー篇 (河出文庫)
横溝正史が選ぶ日本の名探偵 戦後ミステリー篇 (河出文庫) / 感想・レビュー
鯖
昭和初期の三大名探偵って言うと、明智金田一、そして神津恭介だと思うんだけど、神津は忘れられてるよなあ…。私もなんか子どもの頃、親の児童書で子供向けの神津恭介読んで、うわ~かっこいい面白いって大興奮した思い出はあるんだけど、内容は覚えてないのであった…。収録された「原子病患者」はビキニ広島と当時の世相をちりばめた短編。被曝者とキスすると被曝するとか、ロケットペンダントに放射性物質いれとけば被曝するとか、…ベクれてる非科学さがしんどかった。いやまあそりゃ青い光見たら生きてるけど死んでるになるわけだけどさ…。
2022/08/13
だるま
この本の成り立ちについては、『戦前ミステリー篇』のレビューで書いたので省略。こちらは戦後ミステリー篇で、近代である分、馴染みの名探偵ばかり。金田一、神津、鬼貫、巨勢博士、等々。それだけで嬉しくなる。金田一は短編の代表作としてアンソロジーに度々採られる『百日紅の下にて』で、巨勢博士も『選挙殺人事件』と、代わりばえが無いのが残念だったし、神津と鬼貫はもっと良い短編があったと思うが、全体的には戦前篇より面白かった。中村雅楽が名作の『グリーン車の子供』じゃなく『車引殺人事件』なのが、未読だったので有り難かった。
2022/07/19
Inzaghico (Etsuko Oshita)
こちらにも銭形平次と若さま侍がいるが、発表年が第二次世界大戦後だということだ。捕物帳の人気は長かったのだ。そのほかには、当然金田一耕助、神津恭介も登場するが、なんといっても中村雅楽が選ばれているのが個人的には嬉しい。 陳舜臣の「ひきずった縄」(陶展文という華僑が探偵役)は、バカミス要素があって笑ってしまう。高木彬光が生んだ神津恭介が推理を披露する「原子病患者」は、これはトリックとして通用するのだろうか、とも思う。横溝正史の金田一耕助が登場する「百日紅の下に」は切ない話だった。
2022/06/21
コチ吉
横溝正史が選んだ、ということだが、自作「百日紅」は衆人環境下の毒殺の代表作とも言えるものだろう。既読のものも多かったが、やはり仁木悦子の「黄色い花」が破綻なくまとまった好編と言える。戸板康二ももっと読んでみたい。
2022/07/29
Tatsuo Ohtaka
戦前編に続いて読了。金田一耕助、銭形平次、神津恭介など10人の名探偵が競演。個人的に好きなのは、戸板康二が創造した中村雅楽。収録の「車引殺人事件」も秀作。YOUCHAN のイラストも◯。戦前編と併せて保存版だ。
2022/06/25
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