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十三角関係:山田風太郎傑作選 推理篇 (河出文庫)

十三角関係:山田風太郎傑作選 推理篇 (河出文庫)

十三角関係:山田風太郎傑作選 推理篇 (河出文庫)

作家
山田風太郎
出版社
河出書房新社
発売日
2022-07-05
ISBN
9784309419022
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十三角関係:山田風太郎傑作選 推理篇 (河出文庫) / 感想・レビュー

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W-G

藤田和日郎氏の表紙が目に止まり即購入。コレは本格推理小説。昭和初期の国内本格はやはり楽しく、プロットやロジックは、今の新本格以降の作品には数段劣るものの、逆に現代の作品では出ない、独特の雰囲気が豊穣。当時の文体や、無駄にエロ要素強めて人間関係を錯綜させる手法など、黄金期の海外ミステリとは一線を画した姿へと変容を遂げており、何でもガラパゴス化させる日本人気質が色濃く見える。この作品も、そういうオイシイ要素をふんだんに盛り込み、雰囲気や情景重視ではありつつも、何故かきっちり本格の匂いがする。

2022/08/10

keroppi

売春防止法施行直前の赤線地帯が舞台。誰からも慕われた娼館のマダムが惨殺される。麻薬や精神病院も絡みながら、複雑な人間関係と事件の核心が明らかになっていく。探偵は、黒澤明「酔いどれ天使」を彷彿させる酔いどれの医者。「嘘倶楽部」での嘘を使いながら犯人を追い詰めていくやりとりは、なかなかのもの。山田風太郎が、こういう傑作探偵小説を書いていたんだ。他の推理編も読みたくなってくる。

2022/08/08

鱒子

美しく人望厚い、娼家のマダムが殺された。バラバラに水車に吊るされるという残忍な方法で晒された遺体。異形の堕胎医 茨木歓喜先生が挑む謎、犯人は一体?——藤田和日郎さんの表紙が印象的すぎて、わたしの脳内ではこの絵が動き回ります。責任とってください、藤田さん、これ漫画化してください、お願いします。

2022/09/27

koma-inu

周囲から愛されるマダムが、バラバラ死体となって風車にぶら下げられた。十二人の中の誰が犯人か?各々は死の直前にマダムと接しているものの、なんとなくアリバイが成立していて・・となると海外某有名作のアレか・・と思いましたが、探偵が示した犯人に、唖然!十二人の怪し過ぎる行動に目移りしてしまい、完全に騙されました。アリバイトリックはバカミスギリギリ、怪奇な雰囲気に乗せられて違和感は無いです。もの悲しい締めくくりも含め、全編見事なプロットに脱帽です。初山風さん作でしたが、別作も読みたくなりました。

2022/09/18

Ayah Book

名探偵茨木歓喜シリーズ。山風先生にも名探偵シリーズがあるとは知らなかった。遊郭の美人女将は、とてもいい人だったのに、なぜ殺されたのか?今作もとても面白かった。ミステリーとしては、ヒントが少ないような気もするが、伏線はきちんと張ってある。現代人の私の感覚としては、犯人の気持ちも十分分かりますよ。本当に悲しい女の情感を書かせたら一流の山風先生です。歓喜先生は見た目はあれだけれど、とても優しい紳士キャラ。山風先生にしては珍しいけど、いいキャラです。

2022/12/12

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