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約束された移動 (河出文庫 お 27-4)

約束された移動 (河出文庫 お 27-4)

約束された移動 (河出文庫 お 27-4)

作家
小川洋子
出版社
河出書房新社
発売日
2022-08-05
ISBN
9784309419114
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約束された移動 (河出文庫 お 27-4) / 感想・レビュー

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mae.dat

表題作から始まる6話短篇集。人との特別な絆……絆って奴では無いですね。約束・断りの無い、秘密の密やかな関係性、決まり事がテーマなんでしょうかね。“密やかな秘密”って言うと、如何にも洋子さんワールドって感じがしますけど、概ねの傾向であり全てが嵌まる訳では無いのですけど。特に『寄生』は随分と違うのかも。特別な(?)関係性は一際目立つけど。おばあちゃんの寄生、可成りうざい。脛齧り的な寄生では無くてね。物理的( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。もー、大事な予定があるのに。好い彼女さんで良かったよ。末永く幸せに成りやがれ。

2024/08/06

エドワード

町の片隅に暮らす名もなき人々の、日々の哀歓を描く短編集。ホテルの清掃係は映画俳優Bと彼が宿泊するスイートルームの書棚の本に憧れ、バーバラは故ダイアナ妃の衣装の再現に至福を見出す。「黄色いチェックのスカートのお嬢様…」懐かしい響き!元デパートの迷子係の章のノスタルジアは格別だ。デートの直前に見知らぬ老婆に抱き着かれた青年、騒動の後のハッピーエンド、章題「寄生」と虫博物館の符合がいいね。異国の香りがする黒子羊の章。羊と園長の死後の幸福感が秀逸だ。絶滅した鳥を描いたメリーゴーランドが圧巻。表紙も美しいね。

2022/09/10

tsu55

小川洋子の短編集。 誰かを想うこと、誰かに想いを捧げること、誰かを援けることが、自分の人生を支えるといことか。 国籍不明の不思議な雰囲気が面白い。

2022/09/05

こばまり

「手のつなぎ方を知らない子は一人もいない。その瞬間、彼らは一人ぼっちの迷子ではなくなる」という一文に胸がいっぱいになる。迷子になった私に声を掛けてくれた青年を、私はまだ鮮やかに覚えている。幼い私に話しかけるために屈んだ姿を。暖かなまなざしとその声を。

2023/04/11

おっしー

小川洋子の短編集。6編の短編が収録。どの話もどこか薄暗い印象があり、他人に見せない秘密をこっそり覗き見してるような感覚になる。背徳感とまではいかないけど、何故か真正面から見るべきものではないものを見ているみたい。お気に入りの作品は「黒子羊はどこへ」。園長の羊や子どもたちへの向き合い方がどこまでも真摯であることが魅力的。人間的に富んでいる人だと思う。そんなことを感じながらも、圧倒的に喪失の物語なのが良い。温もりも感じるけどそれでもじっとりとした重たい空気感がなかなか他では味わうことのできない体験。

2022/11/04

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