ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい (河出文庫)
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい (河出文庫) / 感想・レビュー
konoha
フワフワしてそうなのに意外と強くてしっかりしてる。表題作はぬいぐるみサークルの七森が麦戸ちゃんを好きなのに白城と付き合う。素直に幸せになれない苦しくて恥ずかしい青春。3人があっさりしていてかわいい。行方不明の妹にラインを送り続ける「たのしいことに水と気づく」がとても好き。男女や恋愛による差別に加担していることに苦しむ人たち。ぬいぐるみや水には本音が話せて人を傷つけないことを大事にする。一見優しいけれど、本当の優しさについて考えてしまう。不思議な世界観、鋭い問題意識が光る。他の作品も読んでみたい。
2023/04/01
ぼっちゃん
文庫全国頂上決戦BUN-1グランプル202の10作品の中で唯一読んでない作品だったので読んでみた。ぬいぐるみとしゃべる大学のぬいぐるみサークルの人たちの物語。みんな他人の痛みを自分の痛みととらえ、そのつらさをぬいぐるみに語る優しい人たちばかりだが、つらいと分かち合えるパートナーなり仲間ができることは良いことだ。
2024/09/08
さくら★もち
表題作はぬいぐるみとしゃべるサークルに所属する大学生の日々が描かれた物語。人が何に喜び何に傷つくのか。その場のノリに合わせることでいかに心が擦り減るか。相手がどう思うかを先回りしすぎて苦しい思いをする七森と麦戸。人より多く傷つくふたりを見守る白城。それぞれの持つやさしさに泣きそうになった。他の3編も他人に合わせることに疲れやつらさを抱く人の物語。どれも人の発言や態度、あたりまえとされている物事へのなんとも言えない違和感が言語化されていて凄いなと思った。「大丈夫」って便利だけどいちばん難しい言葉だな。
2023/02/18
ichi
☆4
2023/11/25
葵@晴読雨読
初読み作家さん。優しい人が傷つかず生きやすい世界になりますように。私にもぬいサーみたいな場所がほしいな。
2024/02/03
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