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須賀敦子全集 第3巻 (河出文庫 す 4-4)

須賀敦子全集 第3巻 (河出文庫 す 4-4)

須賀敦子全集 第3巻 (河出文庫 す 4-4)

作家
須賀敦子
出版社
河出書房新社
発売日
2007-11-02
ISBN
9784309420530
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須賀敦子全集 第3巻 (河出文庫 す 4-4) / 感想・レビュー

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はっせー

今回も全集修行である。今回でエッセイは終わりになる。エッセイの感想としては品やな文章と知性を兼ね備えているのに読者を置いていかない優しさもあった!そのエッセイの中でも塩1トンの読書がとても印象にのこっている。じつはこのお話は須賀敦子さんの本でもうすでに読んだことがあった。でも再度読んでも素晴らしいとかんじる。人を知るには塩1トンお互いに舐め合うくらい時間がかかる。それは古典も同様である。時間をかけて理解する必要がある。この本もまた時間をかけて理解したいと思える作品であった!また読みたくなった!

2023/03/03

佐島楓

須賀さんが吉行淳之介を読んでいらしたところに、意外を感じた。なんとなく対極にいる作家のように思っていたが、病すれすれの退廃的なところに惹かれたとしたら、わからなくもない。

2018/09/03

『ユルスナールの靴』を読了。ユルスナールの生涯と自身を重ね合わせるかたちで綴られた須賀敦子晩年の作。「だれの周囲にも、たぶん、名は以前から耳にしていても、じっさいには読む機会にめぐりあうことなく、歳月がすぎるといった作家や作品はたくさんあるだろう。」須賀敦子にとってユルスナールがその人物のひとりで、作品を愉しみ、著者に興味をもつ、という単純な思いのみが、本作を書かせた理由だったという。すきな章は、友人ようちゃんが登場する「一九二九年」と、ユルスナール晩年の居マウント・デザート島の来訪話「小さな白い家」。

2015/07/29

「塩一トンの読書」を朝の電車で再読。「ひとりの人を理解するまでには、すくなくも、一トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」須賀さんのお姑さんのことばから始まるこのお話は、わたしのお気に入り。一トンの塩をいっしょに舐めるというのは、喜怒哀楽をいっしょに味わうという意味で、一トンを舐めつくすには気の遠くなるような時間がかかる。人間や書物も、それだけ理解しつくせないものだ、ということなのですが、このお話をよむと、忙しさや結果主義に流されずに、過程こそ大事にしながら、限りあるときを過ごさなきゃと思えるのです。

2015/08/20

おにく

全集第3巻は執筆活動後期のエッセイを収録。これまでエッセイを通して、自分の人生を見つめ直して来た須賀さんが、次のステージへシフトしようとしていた時期だと思います。この本に収録されている"ユルスナールの靴"は、女性作家マルグリット・ユルスナールの軌跡を紹介したエッセイ集。ユルスナールがアメリカに旅行中、戦争が本格化し、何年も自国に帰れなくなるという状況から、長年温めてきた長編小説を書き上げる辺りは、須賀さんが書こうとしていた長編小説のインスピレーションにつながったのではないでしょうか?(つづく↓)

2020/06/19

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