須賀敦子全集 第4巻 (河出文庫 す 4-5)
須賀敦子全集 第4巻 (河出文庫 す 4-5) / 感想・レビュー
はっせー
全集読破中。今回で約半分を読破した。いやー面白い。読んでいてこんなに勉強になるのは全集なのかなって感じた。今回の4巻は書評と映画評になっている。一言で例えるとお洒落な雑貨のセレクトショップであろう。須賀敦子さんが選んだ本一つ一つが絶妙である。アントニオ・タブッキ 谷崎潤一郎ほか中井久夫などそうそうたるメンツが紹介されている。そして書評を読むだけで読みたくなる衝動がでてしまう。またじかんが経ったら読み返して読みたい本を見つけたいと思う。次に読む本が中井久夫なのですこし運命的なものを感じた!
2023/05/25
おにく
全集第4巻は、エッセイ"遠い朝の本たち"を収録。戦中~戦後の女学校時代から、結婚以外で女性が誇りを持って生きる道はないのか思い悩んでいた文学少女が、イタリア留学を経て、やがて翻訳家としての道を志すという、自身の半生を回想しています。エッセイの中で「父に教えられたのは、文章を書いて人にどう言われるかではなく、文章というものは、きちんと書くべきものだから、そのように勉強しなければいけない。」と。須賀さん文章は、子供の頃から身についたテーブルマナーのようで、後半の書評や映画評で、そうした文章を堪能できます。
2021/07/13
kana
耳を当てるとかすかに鼓動がきこえてきそうなほどに、命の宿った優しい文章。さりげないフレーズやエピソードがいとおしくて、不意に泣きそうになる自分に驚く。本と過ごした思い出、本に支えられる日々を綴った「遠い朝の本たち」と書評を集めた「本に読まれて」を収録した全集第4巻。河出文庫、いい仕事してます!特に「婦人公論」連載のブックレビューにて紹介する本はどれもこれも読みたくなって大変です。買った当初は難しく退屈に思えたのが嘘みたいに、宝物の1冊になりました。本好きな人は必読です。
2011/03/08
かもめ通信
単行本として出版されている「遠い朝の本たち」と「本に読まれて」の他に書物や映画にまつわるエッセイ33篇が収録されているあいかわらずお得で贅沢な1冊。
2017/08/17
かりあ
じっくり時間をかけた。急いて読むのが惜しい。ことばの一カ所一カ所に、これを読み逃したら絶対後悔するかもしれない雰囲気が漂っていて、割と適当に読み流す癖がある私なのに、我ながら驚くほど丁寧に字を追っていった。堅く、ぴしっとした本は、1日過ぎるごとに紙が手垢によって柔らかく馴染んでいった。本読むとは、本と仲良くなることなのだ。そんなことに気付かされたのも、やはり須賀敦子さんの影響だと思う。
2010/05/29
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