モンスターブック (河出文庫 513A)
モンスターブック (河出文庫 513A) / 感想・レビュー
ニミッツクラス
86年(昭和61年)の500円の河出文庫初版を読了。ヴォークトの6短編を収録。この年代に著名作家の短編集を編むなら原題と初出誌と刊行年は必須で、割愛した本書は手を抜き過ぎ。テーマに対して選択した作品も微妙だが…、でも現在でも本書でしか読めないであろう「最後の指令」、初書籍化の「海神」は拾い物だ。河出書房新社から出したのも興味深い。「神経戦」はビーグル号物で、お馴染みの総合科学のグローヴナーの、人知れずの神がかった活躍に驚嘆する。もはや“怪物”と無関係の「潜伏者」も定番ながら伏線をきちんと回収。★★★★☆☆
2020/08/27
スターライト
ヴォクトが創造した様々な怪物が登場する作品のうち、原書から2編を割愛した短編集。『宇宙船ビーグル号』『宇宙嵐のかなた』を構成する作品を含む。集中のベストは、人間とロボットとの対決を描いた「最後の指令」。人間以上の能力を持ったロボットと人間代表との心理戦を、迫真の筆致で描写する力業。ホジスンばりの海洋幻想譚「海神」もいい。
2010/07/03
aki
再読した『宇宙船ビーグル号』が相変わらずおもしろかったので、未読の本を購入。既刊の短編集とダブっているのは、なんとなく損をした気分。「神経戦」は、まさしく「ビーグル号」のリーン人のエピソード、「永遠の村」は『時間と空間のかなた』に収録されていたか。「海神」が、いちばんおもしろかった。ヴォークトの小説は、どちらかというと、怪物の側に共感してしまうが(ケアルやイクストルにね)、この作品も海神のほうを応援してしまった。意外に弱いんだ、こいつが。「ただ死者のみならず」は予想外の結末。「全員殺された」と思っていたが
2009/10/14
wm_09
「最後の指令」の人間味あふれるロボットがよかったなあ。ラストでびっくりさせてくれる作品が割と入っていて個人的には好み。「ただに死者のみならず」とか「永遠の村」とかね。(清)
2010/06/19
丰
Y-20
2006/03/05
感想・レビューをもっと見る