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水の墓碑銘 (河出文庫 543C)

水の墓碑銘 (河出文庫 543C)

水の墓碑銘 (河出文庫 543C)

作家
パトリシア・ハイスミス
柿沼瑛子
出版社
河出書房新社
発売日
1991-10-01
ISBN
9784309460895
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水の墓碑銘 (河出文庫 543C) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

奔放な妻に心底、毛嫌いされながらも離婚せずに実直で親としては立派に見られるように過ごす夫。彼は妻のボーイフレンドを殺すが彼は自らが築いた姿勢のために疑われない。自分を毛嫌いする/した者を自分の信用を盾に追いつめられるのを見ながら飼い殺しにするのは確かにこの上もない快感だと読んで思いました。ラストからの犯人として断罪しようとした妻の歩み寄りは、父による媚の狡猾さと気持ち悪さを思い出して心底、「死ねばいいのに」と思いました。ラストで彼は人間でありながらも超越した心持になった描写が怖かったです。

2013/02/16

まぶぜたろう

異常心理を描く純文寄りのミステリ。違う。ハイスミスはただただ面白い物語を書く作家だ。出てくる奴は皆変だし嫌な奴で、だからこそ何をしでかすか、物語がどう転がるかわからない。こんな話読んだことねーよ、この後どーなんの?とひたすらページを繰る、それがハイスミスだ!■本書もまた歪な嫉妬心を抱く男が主人公。妻の愛人を殺したと嘘をつき、妻に言いよる男を撃退するのだ。変でしょ?パーティの描写(これはパーティ小説だ!)、詩人の違和感、砕石地の叙情、中盤からのサスペンスはオールタイムベスト級。素晴らしい!(○○○○●)

2022/01/09

Toshi

ひたすらヘビー、なんの救いもなく、これぞ究極のイヤミス?でもハイスミス好きです。読み応えあります。

2018/12/02

菱沼

再読。実家から持ってきた本。主人公ヴィクの静かな壊れ方がじわじわと怖ろしい。妻メリンダの苛立ちも共感できるかも、と思い始めたころから、それまで同情的に見てきたヴィクに感情移入しづらくなってくる。からめとるような心理描写。ハイスミスの巧みな描写があまりにも救いのない物語を作り上げ、面白いけれどやるせない。

2016/07/28

7kichi

ハイスミスというとカタツムリが思い浮かぶが、ここでもヌラヌラとしていた。

2013/05/19

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