東欧怪談集 (河出文庫 ぬ 1-51)
東欧怪談集 (河出文庫 ぬ 1-51) / 感想・レビュー
あたびー
新版が出ているが、所有しているのが旧版なのでこちらを選んだ。露によるウクライナ侵攻からこっち、周辺国の複雑な領土意識にクラクラしているのだが、この本の中に出てくる土地も「この頃は××領」などと注釈が付いていて、歴史的にも領土紛争の耐えない地域であることが分かる。ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー等に分けて並べられた作品群も、そうしてみると地域ごとの特徴は私にはよく分からない。分かるのはただ、30年ぶりに読み返してこんなにも面白い本だったか、ということだ。
2022/10/13
YO)))
95年に出たアンソロジで、解説では、収録作の多くが本邦初訳で、まったく知られていないステファン・グラビンスキを紹介できたことや、西成彦氏によるイディッシュ語からの直接訳を収められたことについて良かったと書かれていて、ここから確かに今に繋がっているのだなぁ、と。そんな注釈はさておき途轍もなく面白い本です。
2018/01/30
ニミッツクラス
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉 95年(平成7年)の税抜951円の河出文庫初版。東欧各国の26編(カバー折り返しの全25編は誤記)を収録。内、19編が初訳。“東欧”の意味合いは編者解説に記されており、怪談から連想される怖さよりも怪異譚的不条理さがメイン。「吸血鬼」と言う話が2題あり、共に原題はヴァンパイアだが読者の期待する内容とは趣を異にする。ルヴォヴィツ「不吉なマドンナ」は話がオチてないと思う。イラーセク「ファウストの館」は怪異譚よりも修理を拒む屋根の大穴の方が気になるよ。★★★★☆☆
2023/08/06
メタボン
☆☆☆☆ 怪談というより、不思議な幻想短編集といったアンソロジー。良くこれだけ原語からの翻訳を集めることができたものだと感心。金曜日毎に夢で騎士団長に刺される「サラゴサ手稿・第53日・ポトツキ」蛇口の水滴が教示する場所に二度といけなくなるのを後悔する「不思議通り・ミランドラ」凄まじくも死体を愛撫し己と一体化する「シャモタ氏の恋人・グラビンスキ」持ち主に不幸をもたらす絵「不吉なマドンナ・ルヴォヴィツ」瘤と人間が反転する寓意的な作品「こぶ・コワコフスキ」。
2020/08/21
イノ
あまり知らない東欧の怪談短編集。日本の情念うずまくじっとりした怖さとは違い不思議な話、得体の知れない話などなど雰囲気の違いというか匂いの違うというか異国に来た感じがして意外と面白かった。 「不吉なマドンナ」が雰囲気があって一番好き
2017/05/14
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