オカルト 上 (河出文庫 ウ 2-11)
オカルト 上 (河出文庫 ウ 2-11) / 感想・レビュー
猫丸
神秘思想史の基本文献として有名な本書を初読。上巻は18世紀までの魔術の歴史を通観する。後半はアグリッパ、パラケルスス、ノストラダムス、メスメル、カザノヴァ、カリオストロ、サン=ジェルマン等の魔術師列伝。彼らの多くは詐欺師的性格を併せ持つが、窮地に陥るとヨーロッパを遍歴して追及から逃れ、いつの間にか復活して再び社交界に摂動を与える。そして大まかには生命力を漸減させて破局に至る人生を歩むのだ。著者はオカルトの源泉を人類がもつ「X機能」に置く。隠された世界との連絡をつける能力が衰えると魔術師は失墜する。
2021/09/11
パブロ
前に「コリン・ウィルソンはもう卒業!」と宣言したのにこの体たらく…。しょうがないじゃん、フラっと入った古本屋にコリン・ウィルソンの「オカルト三部作」が鎮座しているんだもん、買っちゃうよ。私にとってこの人の本は自己啓発本と同じ。だって、「隠れた能力を活用するともっと生きやすくなるよ!」という思想が脈々と流れているから。この本もそう。先史時代から「オカルト」の歴史を掘り起こし、負のイメージに覆われ迫害されてきたものは、実は人類にとって大きな力なんだと示している。うん、眉にツバつけながら面白がっている私がいる。
2015/09/28
南註亭
1973年に上下巻、1985年に1冊本で出されたものの1995年の文庫版。オカルト関連では必読の1冊。
2010/08/07
感想・レビューをもっと見る