オカルト 下 (河出文庫 ウ 2-12)
オカルト 下 (河出文庫 ウ 2-12) / 感想・レビュー
パブロ
横溢する引用、氾濫する索引。コリン・ウィルソンといえばもちろんこれ。下巻も得意芸が全開バリバリ! またこの引用・引用・引用の嵐がタマラなく面白いから困ったもんだ。ホント、躁状態で書いていたんだろうなと思わせるほどの人間讃歌なんだもん。錬金術、魔術、霊の存在や輪廻転生…普通なら人間の暗黒面である古今東西のオカルト現象を前向きに取り扱って、「ほらほら、人間ってこんなにも潜在能力があるんだよ! だから人間って素晴らしい!!」というめちゃめちゃなポジティブさにあふれている。うん、ここまで断言するって気持ちいい!
2015/10/13
猫丸
下巻は19世紀以降のオカルト史。ブラヴァツキー夫人、クロウリー、ラスプーチン、グルジェフなどのスターが登場する。そのほか、生まれ変わり、死者の霊、オルゴン・エネルギーなどに対する考察を貫いて、著者が夢見るX機能の形姿を浮かび上がらせようと苦闘している。19世紀の心霊ブームに倫理的色彩は薄い。霊的に高いステージへ上昇しようとする個人志向はあまり見られず、人々は現象そのもののエンターテイメント性に注目した。そこへ精神・肉体の鍛錬を重視するスタイルを導入したのはグルジェフであったようだ。
2021/10/02
南註亭
19世紀以降のヨーロッパの魔術の歴史と心霊現象・スピリチュアリズムなどについて述べ、人間の潜在能力に言及している。上下巻のオススメ度は4.5
2010/08/12
akuragitatata
ハードカバー本でよむのが正しい。
2023/05/31
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