若きドン・ジュアンの手柄ばなし (河出文庫 ア 3-2)
若きドン・ジュアンの手柄ばなし (河出文庫 ア 3-2) / 感想・レビュー
こばまり
【再読】思春期少年(富裕層)の性的武勇伝。私の中の市原悦子が「んまぁ…」と覗き見している気分です。併録のコクトーによるアポリネール論が私には格調高すぎて難解。
2014/04/02
Roy
★★★+☆ 若きドン・ジュアンは自身の愛欲に忠実で、それは少年時代の興味から始まった。対象は別として、見たい見られたい触れたい触れられたいの健全な性への興味から、次第に深みに嵌まり抑えられなくなる彼の性欲に、分からなくもないが少し滑稽でウケてしまう。あとこの物語で女性は、見た目の違いはあれど差異の無い道具として描かれていた。そこらへんも男の「手柄ばなし」。あえてなのか傲慢に語る。万年発情期のような小説だった。
2009/09/14
★★★★★
これは実に隠微、というかエロい。『眼球譚』から思い切って象徴主義的な部分を全部取っ払って煮詰めた感じとでもいいますか。
2008/12/13
nukuteomika
夭折の天才・アポリネールの代表作。一応ポルノ小説ではあるが、それ以上に性に奔放なドン・ジュアン少年や周りの女性たちは読んでて笑える。併収のコクトーによるアポリネール論も愛があって良い
2009/11/04
龍國竣/リュウゴク
詩人によるエロティシズムを体現した小説。この作品には本来キリスト教社会にあるべき束縛が描かれていない。真に自由な精神を持った少年が、その金と地位とをもって周囲を征服していく様が鮮やかに書かれる。禁止や忌避のない生まれたての世界。
2012/12/12
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