至高体験: 自己実現のための心理学 (河出文庫 ウ 2-13)
至高体験: 自己実現のための心理学 (河出文庫 ウ 2-13) / 感想・レビュー
じょーねつ
コリン・ウィルソンはこれが初読だがやたら該博な知識と松岡修造を思わせるめちゃくちゃポジティブな断言っぷりに痺れる。病人ではなく健康人を基本に置く発想は、暗くどんよりしがちな欧米の哲学・文学・心理学とは一線を画す。フロイト以前からマズローに至るまで、第一級の心理学史です。本当に面白い。
2013/06/02
ひろ
めちゃくちゃ面白い。意志を刺激して前向きに生きるためには、対象に意味を感じるために、適切な努力を要する。だが文明化された生活の中では適切な努力を行う余地があまりない、ほとんどのことは自動化されているからだ。私達は精神的努力からもたらされる、「意味がある」と感じられる至高体験のさなか以外では常に精神を病んでいるとまで言い切る。全く正しいと思う。
2013/11/10
キツノカ
人間が同じ日常、行動を繰り返し、生に倦むことについて。人間の意志が消失し、ロボット化してしまう。そこから意志を取り戻すには――世界の意味を見いだすために――すべてのものが美しく見える瞬間=至高体験にどのように至れるのか。心理学の系譜を辿り、至高体験の例をあげながら書かれている。かなりおもしろく、世界の再認識ができたように思う。
2013/03/24
euthanasia
これは名著。マズローの「第三の心理学」を軸に、フロイトの精神分析、アドラーの個人心理学、ビンスワンガーやRDレインの実存分析、果てはトランスパーソナル心理学などなど心理学の歴史をひと通り通観できる上、ブレンターノやフッサールの現象学、ウィリアム・ジェイムズのプラグマティズムとマズローの親和性、さらにはマズローの心理学が現代の経営理論に与えた影響(XY理論)など話題は多岐に渡り、その広いパースペクティブは計り知れない。近年流行ってる自己啓発書やマネージメントの源流を知りたい人にもオススメ。
2011/06/10
Hiroshi Fukuhara
マズロー学説に仮託しつつ全開のコリンウィルソン節。個人的にはアウトサイダーよりもこちらの方が好ましい。
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