20世紀SF 2 1950年代 (河出文庫 ン 2-2)
20世紀SF 2 1950年代 (河出文庫 ン 2-2) / 感想・レビュー
MICK KICHI
個人的に印象に残った作品を...「初めの終わり」 レイ・ブラッドベリ 人間が宇宙へ飛び立つ前の時代を<重力の時代>と呼ぶ、シャアの台詞になったかのような表現が残る。「ひる」ロバート・シェクリィ ウルトラQのある作品の元になった作品。「終わりの日」 リチャード・マシスン 地球最後の日がくるとしたら...シニカルさと心の安息に締め付けられる傑作。「証言」 エリック・フランク・ラッセル 異星人に対する法廷劇と仁愛。「たとえ世界を失っても」 シオドア・スタージョン SFにおけるLGBTの最初期の表現が見られる。
2020/11/18
ニミッツクラス
00年の税抜950円の初版。「20世紀SF」と冠したアンソ全6巻の2巻目で、年末刊行なので本書が20世紀最後となる。テーマは”50年代“で14編を収録。玉石混淆で量産されたSF奔流から厳選した…いやいや、選ばずとも元々突出しているのだ。メリルやナイトの選集、アワード集成或いは著者ベスト集成に収録されているから、SF好きなら既読の作品群だろう。シマックの片田舎無双話はほぼ頂点に達している。これをネタ的に超えるには「中継ステーション」の様に別の世界と繋げるしかない。スミスは”人類補完機構“の一篇。★★★★★☆
2018/07/21
かながわ
拡大というよりSF旗印の元に集まっての回復らしい、たしかに百花繚乱で原型があちこちに。一方で冷戦激化ベースありという的確な解説にも頷く。にしてもおもしろいなぁオイ!
2021/10/07
timeturner
宇宙進出への憧れや期待、冷戦構造の激化による最終戦争への不安、人間性を無視して科学が発達することへの恐れが反映された作品が多い。宇宙人の亡命者を裁くE・F・ラッセル「証言」は現代の難民問題そのもので、今のアメリカで同様の国民投票を行ったらと考えて暗澹たる気分になった。
2023/12/26
さな
当たりだった。どの短編も最高によかった。知らない作家もいたから不安だったけど購入してよかった。ベストはラッセルの「証言」。地球にやって来た宇宙人が裁判にかけられる話。侵略者と思われ検事に糾弾される宇宙人と、無策のように思われた弁護士。最後の証人に感心したし、どんでん返しもあっていい。何より、ラストシーンにじんわりと涙が溢れた。それ以外では「隣人」「たとえ世界を失っても」がよかった。特に後者。スタージョンって、あまり合わないと思ってたけど、同性愛を肯定的に描いた美しい短編だった。スタージョン、凄いね。
2019/02/13
感想・レビューをもっと見る