マリー・アントワネット 上 (河出文庫)
マリー・アントワネット 上 (河出文庫) / 感想・レビュー
ひろし
ルイ16世は包茎だった。本の最初のトピックがこれである。飛ばしすぎじゃないですかねツヴァイクさん。しかもその後包茎を軸に夫婦関係や精神分析がなされていく。あぁ哀れやルイ16世。200年以上も経って極東の庶民にも赤裸々にそんなことが知られ同情されてしまうとは、記録とはなんと残酷であろう。王妃の奔放な生活の終わりを告げる首飾り事件が上巻のハイライトだが、完全なるフェイクニュースをきっかけにフランス革命が起きたのがわかる。愛人と寝たのかどうか詳細に検討もしてるし、内容はワイドショー並だが事実これで歴史が動いた。
2018/01/07
uburoi
有名な首飾り事件を王妃が告発することによって自分の首を締めた格好で信頼を失い、時代はフランス革命へ一気に雪崩れ込んでいく。桜花賞でメジャーエンブレムが敗北した日、マリー・アントワネットが断頭台に向かって歩き出した場面を読むことになった。まことに劇的でダイナミック、ツヴァイクの筆は歴史の大変動を詳細に描き出した。フランス革命を知りたいならまずどんなテキストよりもこの傑作評伝を読むべきではなかろうか。
2016/04/10
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