白痴 1 (河出文庫)
白痴 1 (河出文庫) / 感想・レビュー
mii22.
ドストエフスキー、本当に面白い!そして激しいわ。ロシアの人ってこんなに感情が激しく、誰も彼も延々とよく語るのかしら。純真無垢で子供のような心を持っているゆえ、人々に白痴と呼ばれるムィシキン公爵だが、彼は常に正しいことを思うまま、しかもかなり説得力あるしっかりした内容で話している。ムィシキン公爵の話にはとても惹き付けられるし、心を揺さぶられる。素晴らしい人物造形に圧倒される。ドストやっぱり凄い。
2017/10/16
翔亀
ドスト5大長編、私の4作目。亀山訳はまだ存在しないが2010年の新訳(望月哲男)。脚注があって緻密だが読み易い。殺人も革命もなく、貴族の社交界の恋愛模様って感じだが、そこはドストエフスキーのこと、圧倒的迫力でページを繰る手が止まらない。第一巻は白痴と称されるムィシキン公爵の人物造形が全てを支えている感じだ。白痴といっても知能が低いわけでなく、病気のため療養所で育ったため子どものような無垢な公爵が、社交界の面々を変化させる。トリックスターか、とも思ったが、そんな生易しさではなく、生々しい人間のぶつかりあい。
2014/09/21
たかしくん。
以前、新潮の木村訳で挫折したまま。今回は望月訳で再度トライしてます。今のところ、読みやすさではこちらのほうが明らかに上回ってます。他のドストエフスキーの作品同様、癖のある登場人物が次々と現れて、それがまた、イディオット(白痴)の主人公ムィシキン公爵の特異性を際立たせてます。ドストですから、そう簡単な恋愛小説にはならないでしょうしね。作者の体験談でもある、死刑執行される前の極限の精神状態のことを、主人公を通じて語るのも彼らしい。最後に日本人の腹切りが例えとして出てきたのが、意外に印象的!
2016/10/09
こばまり
つ、詰まってて息苦しい!ここには人の営みの全てが詰まっていると、ドストエフスキーを読む度に感じることよ。わくわくする。
2018/09/19
MATHILDA&LEON
【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説18-Ⅰ/1000】ドストエフスキー=読みにくい、という偏見があったが、読み始めたらなんと面白く読みやすいことか。主人公の純真無垢な心にホッとすると同時に、周囲の人々の醜く汚れた考え方に苛々してくる。とくにこの巻で印象的なのは、彼が4年間過ごした村での話。公爵の子供たちへの無償の愛情、その子供たちの無垢な心、ある娘の話。公爵はまさに神のような人であり、子供たちは天使だ。さて、これから主人公がどうなるのか、そしてどうするのかを楽しみにしつつ、次巻へ。
2015/11/16
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