輝く断片 (河出文庫)
輝く断片 (河出文庫) / 感想・レビュー
GaGa
「夢見る宝石」「一角獣多角獣」「人間以上」この三作品を私がまだ若い頃に日本語訳し出版してくださったことにに、本作を読んで本当に心から感謝致します。アメリカで再評価が見直され全集まで出版されていると言うが、逆に本作を読むとスタージョンの評価が下がっていきそう…今、何ゆえの再評価なのかが、本書を読むと逆に判らなくなる。
2011/06/12
kochi
雨の夜、瀕死の女性を連れて帰り、手当てをして甲斐甲斐しくも世話をするその男。そして女の回復の後、彼がとった行動は… 名作「人間以上』の作者で、SF作家として知られるスタージョンの犯罪小説を中心に集めたと言う短編集。「人間…』しか読んでいなかったので、ある意味衝撃。犯罪と言っても、平穏な日常のすぐ隣にあるクレバスに、気がついたら落ち込んでしまった、ああ、と言う感じ。編者の「半世紀も前にこんな小説月書かれていたとは…」以外に言葉はない。そして、決めました、スタージョン、全部読む^_^
2020/06/20
白黒豆黄昏ぞんび
後半になるにつれてどんどん面白くなっていきました。一応、表題の「輝く断片」に合う構成になってるんだよね。「君微笑めば」「ニュースの時間です」「ルウェリンの犯罪」は突き落とされるラスト。この三つが特に良かったんだけど、どれもどこか大事な部分が欠落している男が出てきて、わたし好みの絶望感が濃いバッドエンドでした。
2012/11/19
三柴ゆよし
「マエストロを殺せ」「ルウェリンの犯罪」「輝く断片」の三篇が秀逸。翻訳については大森望の担当パートは文句なし。直訳調を避けたソフトな翻訳に仕上がっている。スタージョンの捏ねくりまわしたような文章が苦手な人(おれのことだよ)には、本書をつよくオススメする。ホーム・コメディっぽい「取り替え子」、まさかの下ネタ「ミドリザルの情事」、パッパラパーな奇想でみんな幸せになる「旅する巌」など、その他の作品も及第点以上のものばかり。得した気分になる短篇集である。
2010/12/09
ゆいぞう
短編集。日常を少し踏み外すとこんなにも恐ろしい事になるなんて!表題作「輝く断片」の雨が降ってるシーンが話の雰囲気作りにぴったりで冒頭からのめり込んだ。「ルウェリンの犯罪」では“物事が自分の外側で流れてく感”に乗せられ、あれよあれよと言う間に読み終わってしまった。次読む時はしっかり味わいたいな。
2018/03/17
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