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ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)

ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)

ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)

作家
ヴァルター・ベンヤミン
山口裕之
出版社
河出書房新社
発売日
2011-01-06
ISBN
9784309463483
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ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫) / 感想・レビュー

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ころこ

『翻訳者の課題』-現在、逐語訳は翻訳者の怠慢であり、意訳をして読了可能性を高め、全体で何を表現しているかを示すことが重要だという風潮から光文社古典新訳文庫のようなレーベルが登場してきています。この問題に対して、ベンヤミンは意外にも逐語訳を推しています。『言語一般について また人間の言語について』を発展させたような純粋言語を志向するという目的が前提にあり、逐語訳の断片を原作者の意図を汲み取り、翻訳者の言語の中で繋ぎ合わせ「ちょうどあの破片が一つの器の断片であると認められるように、原作と翻訳の両者をもっと大き

2020/04/30

34

歴史の危機が知覚の危機に類例のない仕方で結びついていたのがベンヤミンの生きた時代であった。技術は知覚の危機を推し進めると同時に、「人間がどこまでそれに耐えられるか」という意味で、知覚の壮大な実験場と化す。技術が主体としての人間をチェックしかつトレーニングするとき、歴史の危機は、政治がそれを全面的に我有化する傾向においてあらわになる。「政治を美化するためのあらゆる努力は、ある一つの点で頂点に達する。この一つの点とは、戦争である」。このとき哲学的認識の任務とはどのようなものでありうるのだろうか?

2017/02/04

ラウリスタ~

前半はなかなか骨の折れる読書だったが、波に乗ってからはかなり面白く読めた。ベンヤミンはドイツのフランス文学研究者っていう位置づけでもいいのかな、ちょっと思っていたのと違った。『翻訳者の課題』『カール・クラウス』『ボードレールにおけるいくつかのモチーフ』『技術的複製可能性の時代の芸術作品』などなどが収められている。ニーチェのようなアフォリズムが心地よく、分析する対象からどんどん離れてベンヤミン自身のことを語りだす口調もよろしい。

2013/03/13

ジャン

読んだもののみについての感想。本当は全部読まないといけないが、他は気が向いた時に読もう。 【暴力の批判的検討】 特定の法や正義の実現や維持に繋がる法措定的暴力や法維持的暴力を否定し、それらを超越した神的暴力(実は法措定的暴力・法維持的暴力である神話的暴力とは区別される)の到来が期待される。そもそもそんなものが存在しうるのか、ベンヤミンも神的暴力は神話的暴力と区別できないかもしれないと言ってみたり、議論に苦慮してる印象が残る。

2023/03/16

蓼 tade.

アガンベンが好きなので、そちらから。ベンヤミンの用いるレトリックを、アガンベンが如何に踏襲し、また敬愛しているかが良く分かりました。なにぶんにも繊細であり精密。特に感情と感覚を動かされたのは、ボードレールおけるいくつかのモティーフについて、カール・クラウス、類似性の理論、でした。アガンベンは詩的言語と哲学的言語の貫通を、スタンツェと称して、実践してきたと思いますが、プロトタイプはやはりベンヤミンなのですね。とにかくレトリックの力が緊密にして美しい。勿論、アクチュアルに徹しているさまも美しいです。

2023/02/25

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