眠りなき狙撃者 (河出文庫 マ 9-1)
眠りなき狙撃者 (河出文庫 マ 9-1) / 感想・レビュー
かえるくん
引退を決意した殺し屋がさまざまな組織や敵に追われながら、新たな世界を望んで反撃に転じる物語。心理描写と説明を排した、贅肉をそぎ落とした文体といえばハードボイルドの特徴だが、ここまで徹底し、しかも効果を上げている作品はそうはない。読んでいて殺伐とした気持になるが、ふしぎと気分は悪くなく、円環が閉じられることによって滲みだす荒涼たるセンチメントは、唯一無二のものだ。『郵便配達は二度ベルを鳴らす』といい、今年はノワールの名作が読めて幸せ。
2014/11/29
hikarunoir
テンポの緩急が合わず、短くも読了へ時間を要した。文体は乾き、主人公も強いやら弱いやら。軽蔑する父と重なる結末は虚しい。猫の表紙は冗談キツい。
2020/03/22
yukalalami
引退を決意した殺し屋を追い詰めるべく様々な出来事が襲い掛かる。主人公の孤独感、閉塞感が淡々とした文体で綴られ、かつての恋人との場面ですら荒涼感が漂う。過去、現在をうまく織り交ぜ驚きのラストまで一気に読ませてくれる。
2015/07/19
けいちゃっぷ
組織から抜けようとする殺し屋。 組織は彼を追い詰めようとさまざまな手を使うが・・・。 最初は読みにくかったが、慣れてくると乾いた文体や心理描写をしない書き方にゾクゾクしてくる。 このラストは殺し屋・テリエの望んだことだったのだろうか。 215ページ
2016/07/16
Endo Takafumi
渋い。もしフランス語が出来たら是非原文で読みたかった作品でした。結末も大人っぽくて良かったです。
2015/11/02
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