シャーロック・ホームズ入門百科 (河出文庫)
シャーロック・ホームズ入門百科 (河出文庫) / 感想・レビュー
しんすけ
シャーロッキアン物だが聖典の不都合な箇所には注目ぜず、物語の隠れた面白さに焦点を絞っている。読むほどにホームズもワトスンもヴィクトリア朝の住民だったと意識させる。ジューン・トムスンのパスティーシュにもこの香りが潜んでいたのではなかっただろうか。 とくに興味を惹かれたのは、ホームズが芸術に広く通じているという叙述である。ワトスンが初めてホームズに出会ったときに、「この男は推理だけに関心があり、芸術には一切興味ないのだろう」と感慨を漏らすが、実際はワトスンの芸術理解の数十倍をホームズは所持していたのである。
2020/09/21
ひと
日本を代表するシャーロッキアンなご夫妻によるホームズ入門。クセは強いが愛すべき名探偵の人物や歴史的背景の紹介と共にホームズの世界に誘われる。尖った才能と英国紳士に憧れた少年時代を思い出す。発表順ではなくドイル執筆順での全作あらすじを読んで、改めて全作を読み直してみたいと思わされた。大人ならではの楽しみ方を発見できるかもしれないとの期待感が高まる。まずは原典を。その次には参考文献や紹介されていたパロディも読んでみたくなった。漱石とホームズなんてワクワクしそう。
2023/03/16
ひでお
ホームズものは中学生のころ夢中で読んだ記憶があります。本書は入門編ですが各地にあるゆかりの地の紹介が楽しい。ライヘンバッハの滝には一度は行ってみたいです。そのうち、また読み返したいですね。
2019/08/01
未クソ社会学徒
ホームズが活躍した時代の社会状況が分かりやすく説明されていて、ホームズを愉しむ上でも、一般知識を得る上でも役に立ちました。
2019/03/25
冬樹
小林、東山夫妻による『図説 シャーロック・ホームズ』の文庫版。ホームズの入門書というよりかは、ホームズ好きの入門書という印象。当然けっこうネタバレが含まれているため、注意が必要。情報はホームズの人となりから、当時のイギリスの地理、歴史、音楽や文学と細かくためになる。日本シャーロッキアン界のレジェンドから見たホームズ像がよくわかるので、興味深く読めた。
2019/02/22
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