アンクル・トムの小屋 (世界文学の玉手箱 11)
アンクル・トムの小屋 (世界文学の玉手箱 11) / 感想・レビュー
そうたそ
★★★☆☆ 子供の頃に、児童書で何となく読んだ記憶はあるがしっかりと読んだことはなかったこの作品。子供の頃の記憶では、人種差別を批判した作品かつトムの勇気に涙してしまう作品というようなイメージであったが、今改めて読んでみると、著者のキリスト教的価値観が色濃く出ている作品でもあるなと感じた。残念なことに、この作品現在では児童書以外というと、事実上なかなか入手困難な作品であるらしい。更にはこの作品ですらダイジェスト版でしかなく、光文社古典新訳文庫あたりが完訳版のものを出版してくれないものだろうか。
2015/12/24
イプシロン
本作で主軸になる黒人奴隷はアンクル・トムである。副軸になる奴隷、ハリス夫妻とその息子は混血であり黒人とはいえない。だからといって黒人たちの受けてきた数百年に渡る悲惨が描かれていないのではない。だがこうしたところにプアホワイト問題が垣間見えたきがした。奴隷から生まれたものを奴隷と見なす「制度や法律」こそ悪なのだとストウ夫人は見たのだろう。しかしその制度や法律を運用するのは人間である。ここに制度の制度たる悲劇があると痛感した。だからこそ人間の心を育てる宗教的なものが必要なんだと訴えていることに十分納得できた。
2016/10/14
アトレーユ
再読。小学生の時に読んで、当時のアトレーユ人生で一番の衝撃作品だった。丸谷さんの訳でこんなに優しい(易しい、ではない)のは初めてかも(笑) 単に『奴隷制度はいけないよ』のお話だけではなく、登場人物のそれぞれの過去・人生が垣間見れて興味深い。(悲劇に使う言葉じゃないけど)勧善懲悪のようでいて、悪役の過去も心が痛むものだったり。小学生のときにはそこまで読み取れなかったな。
2015/12/29
秋良
【G1000】過酷な奴隷生活の中で、宗教が生きる糧になる。本来の宗教の在り方はこういうものなんじゃないかと思う。そして、たとえ弊害があろうとも自由は何よりも、尊い。
2017/01/15
twinsun
沢山の人との素晴らしい出会い。トム、エバンジェル、...
2019/02/09
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