シャーロック・ホームズ最後の挨拶 (河出文庫 ト 10-8 シャーロック・ホームズ全集 8)
シャーロック・ホームズ最後の挨拶 (河出文庫 ト 10-8 シャーロック・ホームズ全集 8) / 感想・レビュー
ナオフミ
探偵として警察のように法律に縛られることなく、独自のルートから真相を辿り時には仲間までも騙す、現代にはない中々バイオレンスな行動に驚きもありしかし、それほど犯人に対してのホームズの思いが伝わってきました。物語が進んでいくにつれて登場人物達が老いていく風景が書かれていて、それにも関わらず衰えないむしろ冴え渡る思考が読者達を驚かせてきたのだと思いました。
2024/05/15
うみ
何回目かの再読(笑)。『SHERLOCK』シリーズのシーズン4の詳細が発表され、第二話『臥せる探偵』がおそらく原作『瀕死の探偵』にあたるのでは?と思い、もう一度読みたくなった次第。最初に読んだ時は、自分もワトソン同様、ホームズに騙されたな。この河出が出版したホームズシリーズは、「日本シャーロック・ホームズ・クラブ」設立者の小林司・東山あかね夫婦が訳されたもので、前から読んでみたかったのでいい機会でした!注が詳細なのがありがたい。偕成社シリーズで揃えていたので、河出文庫を集め始めようと決心!
2017/06/16
hydrangea
子供の頃に読んでいた際には、「最後」のあとにも短編集があるなんて思わなかったのですよねw 「最後の挨拶」に代表されるように、第一次大戦の影がチラチラと漂い、「冒険」の頃の雰囲気とまた違う味を楽しめるのではないかと感じます。380頁位の本編に対して、170頁程もある注釈・解説の類というのは、相変わらず長さを感じますがw
2017/04/02
泉のエクセリオン
『最後の挨拶』とあるが最後の短編集ではない。どの短編も面白いが特に印象深いのが「悪魔の足」でホームズとワトスンが証拠を掴むために体を張って命を危険に晒すという、はたから見れば危険極まりないことに加え、友人の命さえも危険に晒すということなのだが、そこはワトスン、どんな時でもホームズと運命を共にする友情を見せてくれる。この二人の友情は唯一無二なんだなと感じた
2022/11/29
roughfractus02
大英帝国は個室に海外からの物と人を出入りさせる。個室の犯罪では探偵はそれら出入の痕跡から仮説、演繹、帰納の推論で事件の瞬間を再現し、筆記者はその動機を付加する。が、暗号にはその解き方を握る何かが関わる。探偵が手こずるのは何かの命令で動くスパイだが、何かは個室の外にいてその痕跡を強調しつつ曖昧に留める。この場合、探偵の実験内容は過去を再現せず、何かの関与で不透明な未知の動きの予測へと変わる。死体を屋根に乗せて走る地下鉄の動きには、後に機械が行うシミュレーションが導入される。読者も探偵の最後の挨拶を予測する。
2020/10/25
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