シャーロック・ホームズの事件簿 (河出文庫 ト 10-9 シャーロック・ホームズ全集 9)
シャーロック・ホームズの事件簿 (河出文庫 ト 10-9 シャーロック・ホームズ全集 9) / 感想・レビュー
hydrangea
これでシリーズの最終短編を読了です。この短編集の評価が低いとのことですが、ホームズ作品としてガチガチに考えるよりも、ドイルのエンターテイメント作品の一つとして読めば、相応に楽しめるのではないかと思います。「這う男」のオチとか結構好きなタイプですねw いずれにしてもこれでシリーズが締め括られるのですが、全体を久し振りに読んでみて、改めてジェレミー・ブレット&露口茂吹き替えで、グラナダTV版ドラマをもう一度鑑賞したくなりました。
2017/04/02
泉のエクセリオン
個人的に面白かったのは「ライオンのたてがみ」という短編で海が近くにあることや被害者に不可解な傷跡があったりと読んでいるこちらも「これはもしかして・・」と推理出来るところがあり、ホームズも言うように想像力を逞しくすれば事件解決の導入になる一つの例だと感じた。又一つ一つの可能性を吟味して、残ったものがどんなにありえないことでも、それが真実なのだというホームズの言葉を思い出した
2022/12/30
鐵太郎
重厚な注と解説がついた河出文庫版で「事件簿」を一読。本文の訳は懐かしい小林・東山夫妻の文章で軽やかな読みごこち。注については、ちょっとピント外れっぽいところもあるかど、それなりに面白い。しかしいつも思うんだが、注といったものは、B=グールドのように同じページの横とか下とかに入れた方が読む方は楽なんだけどねぇ。解説での、原稿ではどうだったのか、どう推敲されて今の文章になったのかの過程に驚き。河出版を最初から読んでみるべきかも。参考文献は...これすべてを真面目に読む人がいるのか?(笑)
2016/08/09
山のトンネル
「高名な依頼人」、「這う男」など数々の難事件を鮮やかに解決するホームズともついにお別れ。四十年間の「ホームズ物語が幕を閉じる、最後の短篇集。決定版「シャーロック・ホームズ全集」の最終巻。
2022/04/11
roughfractus02
ワトスンが書き、ホームズが書き、誰かが三人称で書く。読者はそれら全てを作者の技法と心得ている。が、実証を広めた探偵小説に現実の年代や地理を当てはめると細かな食い違いが生じ、読者は物語のつじつま合わせに熱中し始める。一方、落穂拾いとされる本書に収録された作品は、他の作品の小道具(蝋人形)やプロット(紐→クラゲ)を使い、ゴシック的雰囲気に科学的メスを入れて(魔犬→吸血鬼)、物語世界よりフレームの方に興味向ける。その中で不思議なのは、いつもと違う探偵の下宿の間取りだ。別の可能世界のホームズがいるのかもしれない。
2020/10/26
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