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スカートの下の劇場 (河出文庫 う 3-1)

スカートの下の劇場 (河出文庫 う 3-1)

スカートの下の劇場 (河出文庫 う 3-1)

作家
上野千鶴子
出版社
河出書房新社
発売日
1992-11-01
ISBN
9784309472416
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スカートの下の劇場 (河出文庫 う 3-1) / 感想・レビュー

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のえる

図書館本。読友さんお薦め本。 歴史学やジェンダー論など、パンティについて様々な視点から考察された一冊。着眼点や考察が斬新でおもしろかった。 パンツの捉え方、ナルシシズムには男女間で大きな意識の違いがあるとのこと。初版が1989年だが、それ程年月が経っている印象は受けなかった。 様々な下着の写真が掲載されているため、読書なさる際はTPOを考慮された方が良いと思います。掲載資料も興味深いものが多く、個人的にはアメリカの女性下着メーカーのカタログ…男性向け/女性向けの違いが明らかでおもしろかった。

2021/07/22

future4227

東大名誉教授の上野先生が、パンティについていたってクソ真面目に論じている本。女性の中にあるナルシシズムがパンティに現れるらしい。一方、男のパンツの選択と管理は母親が支配し、それが性器の管理につながり、やがてそれは妻に移行していくという。ブリーフかトランクスかという選択も、実は女性が鍵を握っている。パンティだけでなく様々な性風俗産業の根底にある深層心理をも分析していて、例えばソープランドは男性が受け身の快楽を覚えた画期的な商品なんだとか。ちょうど平成元年に書かれた本だが、30年後を見事に言い当てている。

2019/05/13

しゅん

ナルシシズムについて読みながら考える。異性愛者において、女性の性的興奮の対象が男性ではなく自分自身の姿に向いている。フロイトはそこに自己充足型のナルシシズムを見たが、上野は視線の力学を導入して、見る/見られる関係と自己愛の複雑さを導き出す。この時、下着は隠すものであり、誇示するものでもある。自分しか知らない「劇場」を持つこと。…あまり考えがまとまらない。ブリーフ/トランクスの差異に母の支配を見る論点は面白いと思った。

2019/07/04

しき

観客のいないスカートの下の劇場で成立する、女だけの王国。女性下着は、生理用ショーツ・ミニスカ・ハイレグ等の影響を受け、性器をミニマムに覆う形に変化した。また、洗濯機の進化により毎日取り替え可能になると、女性は気分で下着を選ぶようになる。また、男性は下着を性器の象徴としてとらえ、妄想するための下着を求める。結果、様々なパンティが登場した。面白かったのは、下着フェチ・ロリコン・風俗好きの男は共通していること。彼らは女性を匿名性し、彼ら自身の妄想を求めている。実物をみても、あっけないことを知っているのである。

2014/12/28

kyouikufs

パンティから始まり、最終的には、近代の女性性差別と現代の男性と女性の逆転現象を鋭く突いている内容。どうやったらここまで問いを深められるのでしょうか。しかも、2000年代以前に書かれたというのに、予想が的中している。さらに言えば、男性の「男らしさの身体イメージにマイナスの価値が与えられています」という指摘は、まさにその通りで、むしろ、今やそれが進んでいるように感じます。

2014/03/31

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