埴谷雄高作品集 2 短篇小説集
埴谷雄高作品集 2 短篇小説集 / 感想・レビュー
ヤベ
が、という言葉は明治では逆接の助詞だが、いつからか再度順接的な接続の機能を併せ持つようになったと思う。大正末生まれ以降の作家がよく使う印象の順接のが、は埴谷雄高の作品でも多用されていて予想通りだった。明治の漢文的な簡潔な文体に対抗する新たな文体を手に入れることは例えそれが達意を妨げるものだったとしても後進の作家の文学的命題だったと思うし文学界におけるある種の処世術だったとも思う。埴谷雄高の作品もそのような自己否定の美に彩られている。自分はソフィストのゴルギアスに同調するという宣言文はカッコよかった。
2022/01/05
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
■「虚空」の中に出てくる手紙は埴谷氏が花田清輝に宛てたものだ。そして「私の或る友人」はそれと対になるのが清輝「鳥獣戯話」だと言う@白川正芳解題が詳しくて感動。■闇の中の黒い馬について三島由起夫「『絶えず存在の裏から夢を見はじめることに専念し』ている氏の、存在感覚の体験のルポルタージュという風に、一種息苦しいほど義務的な精密さ明確さを持って、ひとつひとつの断章が語られている。」さすがうまいこという。影絵の世界では、埴谷さんの半生、特に投獄時代のことが印象に残る。
2022/08/08
青龍
小説だけ
2014/12/09
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