神曲 地獄篇: 第1歌~第17歌 (須賀敦子の本棚 1) (須賀敦子の本棚 池澤夏樹=監修)
神曲 地獄篇: 第1歌~第17歌 (須賀敦子の本棚 1) (須賀敦子の本棚 池澤夏樹=監修) / 感想・レビュー
KAZOO
池澤さんが監修されて、須賀敦子の本棚ということで全9巻の海外作家の作品集が出ることになりました。これはその第一弾ということで、ダンテの神曲が一部ですが取り上げられています。注釈が半端ではなくかなり研究書のような感じを呈しています。共訳者の藤谷さんが須賀さんに古イタリア語を習ったことが書かれてもいます。他の作品集も楽しみです。
2018/09/07
ピンガペンギン
須賀敦子から個人的に神曲の読み解きを教授された藤谷道夫が須賀訳を完成させて、詳細な註解と解説を付けた。地獄篇の前半部分まで。ダンテは1302年に冤罪で死刑判決を受けパトロンを頼りながらの流浪の身となる。その中で書かれたと思うと感慨深い。現世的に不幸だったダンテは不滅の作品を遺した。池澤夏樹の解説にあるとおり「人物考査表」という面があり、実在の人物が〇〇の罪のためこの地獄にいますよ、というのを地獄めぐりして話したり見たりする。イメージ喚起される。「第6歌」「永遠に呪われた雨が冷たく重く降っていた。その雨の→
2023/10/27
ヘラジカ
現在は既訳が文庫本で安価に手に入るため、初めて神曲を読む人がこちらに触れることがまずなさそうなのが惜しまれる。
2018/07/04
なおこっか
『神曲』難しいのではという先入観は手厚い解説のお陰で粉微塵。八犬伝を聖書になぞらえた鴎外が日本に紹介した神曲は、八犬伝にも通じる面白さ。創造された世界で繰り広げられるスペクタクル、しかも個人的に大好きなギリシャ神話世界が古典と共に、ダンテによってどの様にキリスト教世界に受容されていくかが明らかになり高揚する。罰は悪魔が手を下さずとも人間同士がエゴを剥き出すことで互いへの罰になり、罪が重ければ重い程に人間性が剥奪される地獄世界は、本当に良く作り込まれている。詩としての構成も異様に完璧。
2018/08/15
駒子
第十七歌までしか載っていないと知っていたけど、須賀敦子さんの訳ということに惹かれて初めて『神曲』を読んだ。敷居が高いイメージだったし、たぶん全て理解はしていないのだけど、ものすごく面白くてびっくり。解説が非常にわかりやすく、考察も興味深い。訳も良くてするする頭に入ってくる感じ。続きが読みたい……。
2020/09/07
感想・レビューをもっと見る