そこまでの空 (俵万智の贈りもの)
そこまでの空 (俵万智の贈りもの) / 感想・レビュー
ちはや@灯れ松明の火
絵葉書じゃあなたの声は届かない、何を思って空を見ている。山の端のにじんだ群青、縫い集めた緑の丘、陽と風がなでていく川面。あなたが切り取った遠いどこかの景色を受け取る。無邪気という邪気、近づかなければ傷つかない、あなたにもわたしにも一度の人生。郵便切手だけでは埋められないふたりの距離を綴る。便箋はわたしの心を写せない、連ねたうそと隠した本音。あいたいのただ一言がこんなにも遠く思える五十音。同じ空を見ているなら、すれ違い行き交う想いがどこかでかさなればいい。指先でそっと一枚葉を落とし〈∞〉を描くクローバー。
2014/06/20
rumi
安野光雅氏の絵と、俵万智さんの短歌とのコラボ。それぞれが独立していて、それでいて向かい合い響き合う。安野さんのあとがきにあるように、異質なものが出会った時、誤解にも似たあの、とりとめもない何かを感じて…。31文字+絵によってこんなにも世界は無限に広がるって感じを味わえるとは!
2013/02/22
31
幸せなときには、文学は生まれない。そんな気がする。
2014/10/13
obst
ちょっと前に読み終わっていた作品だけど、この度大学のレポート課題用に再読することに・・・。良いなあ・・・。安野光雅さんが好きだから手に取った作品。でも、俵さん、本当に素敵な短歌を作られる方なんだなあ。31字のなかに色々な思いを詰め込むことができるんだな。感動。
2012/12/29
和尚
俵万智の短歌と安野光雅の絵。心地よい。
2016/02/22
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