アヴィニョン五重奏III コンスタンス : あるいは孤独な務め (アヴィニョン五重奏【全5巻】)
アヴィニョン五重奏III コンスタンス : あるいは孤独な務め (アヴィニョン五重奏【全5巻】) / 感想・レビュー
syaori
サイコロの五の目の中心点に当たる巻。前巻で気配が感じられていた戦争が始まってアヴィニョンはナチス・ドイツの占領下となり、登場人物たちは戦争に巻き込まれてばらばらに。その間にも虚と実の境はさらに曖昧になり、しかし残酷な死からは逃れることはできない登場人物たち。彼らの愛と死と再会と、その謎から目が離せませんでした。アヴィニョンからドイツ軍が去り、「町にとっての戦争は終わっ」てこの巻は幕を閉じますが、狂気と死に彩られたその暗い祝宴の空しいこと。背後に回っていた感のあるグノーシス派の主題が再び前に登場して次巻へ。
2017/05/10
rinakko
素晴らしい読み応え。訳者あとがきによると、五部作の中でも中心的な位置を占める。いよいよ第二次世界大戦へと背景は移り、末期までが怒涛のように描かれる。ナチス・ドイツの進軍、アヴィニョンもまたその弾圧から逃れられなかった。一度はばらばらになった登場人物たちは、戦争の荒波に巻き込まれ、押し流され、邂逅と別離と再会に翻弄される。リヴィアの姉、金髪のコンスタンスの人となりも詳らかとなり、興味深かった。そして書くものと書かれるものの境界は更にぐだぐだと曖昧になって、読んでいく方も翻弄されるが、そこが好みで堪えられない
2013/12/16
mejiro
物語が一気に加速し、ダイナミックな展開に。戦争が始まり、登場人物たちの人生は変転する。ナチスに占領されたアヴィニョンの荒廃した街並み。ナチスと親独政権の罪過が物語に暗い影を落とす。愛と死が大きなテーマになっている。文章に慣れてきたからか、リンクを楽しめた。
2015/01/23
rinakko
再読。
2021/11/09
Keusuke Sakai
アヴィニョンのナチスによる陥落から連合国による奪還まで。これまで登場した人物達の運命に劇的変化が訪れ、3作目にしてクライマックスのような展開。読み応えありでしたが、残り2作はどんな展開になるんでしょうか?
2014/07/21
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