写真的思考 (河出ブックス 8)
写真的思考 (河出ブックス 8) / 感想・レビュー
ほじゅどー
★★★写真とはカメラのレンズによって結ばれる外界の光学的な像を感光面に固定するメカニズムで、疑問を差し挟む余地はない。にもかかわらず、写真には我々が見る既知の世界の眺めとは微妙なズレがある。そのズレにこそ写真に惹きつけられる何ものかが潜んでいる。写真家はカメラを手に現実世界に踏み込み、被写体に働きかけ、そこから何か彼らにとって重要な意味を備えたイメージを引き出そうと試みる。その時写真に生命力が輝き出ることがある。その不思議な力は、写真を見る者に伝わっていく。こうして写真的思考は増殖していく。
2016/06/12
まおまお
「世界を所有可能なイメージとして縮小し、『目の中』に封じ込めようとする意識」とか、やっぱり写真論おもしろい。写真もおもしろい。光で描いた絵が直訳で、真を写す、は日本人の最初の捉え方により意訳された。そんなのばかりだ。
2014/03/04
kaizen@名古屋de朝活読書会
写真も一枚岩ではない。 日本とヨーロッパでは、言語的、文化的な違いがあるかもしれない。 例としては、風景とland scapeという言葉の意味を考えている。 風景には、景色、その場の情景、風姿(人の様子) ランドスケープは、景色、地形、展望、領域 ランドスケープは見渡す感じのようだ。 写真的思考にも、写真より前の文化の引き擂りがあるかもしれない。
2010/05/18
slala
(高山宏の「目の中の劇場」を出してきて、ピクチャレスク美学について言及しているのには興奮!いいですね笑)
2012/11/27
しんさん
「私たちの心を惹きつける美しいイメージには何が潜んでいるのか」。 一枚の写真や絵画の前に立ち止まって、「どんな意図、意味があるのか」を考える。 一番苦手な作業。よくわからない。だがそれがいい。
2012/06/20
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