ニッポンの塔 ---タワーの都市建築史 (河出ブックス)
ニッポンの塔 ---タワーの都市建築史 (河出ブックス) / 感想・レビュー
misui
機能とともに象徴性の強い建造物としてタワーや高層建築の姿を見ていく。庁舎や六本木のビル群には権威やステータスがよく示されているわけで、また、ランドマークにしても土地の記憶を吸い上げ、人々が物語を投影することになる。そもそもが虚空というフロンティアへの挑戦を原型に持つこれらの塔は、様々に変奏されてそこにある。個人的には巨大大仏のようなもの(自由の女神や太陽の塔も)までフォローされているのが興味深かった。
2014/11/21
Mentyu
戦前から高度経済成長期の「塔」の歴史を把握する上では間違いなく良書だと思う。ただ、時代が近くなるにつれて、筆者の意見が強くなっていき、歴史書としては冗長な感じになっている感も否めない。もっとも、その辺は随筆だと思えば問題ないのではあるが。
2017/12/28
保山ひャン
物見の塔(浅草十二階など)、公共の塔(大阪城天守閣など)、電波の塔(東京タワーなど)、大衆の塔(通天閣など)、ひとがたの塔(太陽の塔など)、都市の塔(六本木ヒルズ森タワーなど)、塔の塔(東京スカイツリーなど)、と、7種類にわけて塔について書かれた楽しい本。大阪に「南の五階」と「北の九階」があって、そのあとに浅草十二階ができた、という、この「5,9,12」の数列は意味ありげ。「すべての『尖端』は、いずれ古び、『懐旧』の対象となる」という言葉もあった。これはロラン・バルト仕込みじゃないか、と思ったが、検証中。
2015/01/16
kiho
高くそびえる塔やタワーに不思議と人は憧れる…その塔が立つまでの様々な状況と担う人たちの思いが見えて新鮮☆近々の東京スカイツリーにまつわるエピソードも興味深かった♪他の名前になったらまたイメージが違っただろう。
2013/09/08
チタカアオイ
【図書館】
2016/08/02
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