オン・ザ・ロード (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-1)
オン・ザ・ロード (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-1) / 感想・レビュー
starbro
昨年コンプリートした日本文学全集に続いて、世界文学全集完読プロジェクト始動です。 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11684481?sort=book_count&order=desc 第一巻は、古典的な作品かと思いきや、アメリカ栄光の50年代、青春ビート・ロード・ノベルの快作でした。続いて第二巻へ。 https://www.kawade.co.jp/np/special/3677774465/
2021/03/05
榊原 香織
ビート・ゼネレーションとはこの人が自分たちの世代を名づけた言葉。 アメリカは自国内を放浪する文化があるのかな。とにかく広いから。 グダグダ放浪してるだけで、こんなんでいいのか、と思いつつ。 まあ、最後は何となく落ち着く(作家になってるし) 選者、池澤夏樹曰く、ものすごく非生産的な人生
2023/01/01
抹茶モナカ
ビート・ジェネレーションを代表する作品とのこと。「退屈な知識人」になる事から逃れるために、日常から脱線して、ヒッチハイクでの移動を繰り返す話。青春小説で、中高年になってから読んだので、些か、破天荒なだけの、冗長な作品に感じてしまった。ビートという単語に「くたびれた」との訳が当てられるのは初めて知った。何かに裏切られた世代の作品で、大事なのは「知識人」である前提があるように思えた。ただ破天荒なイメージしかなかったけど、意図された脱出なのだ。何かに駆られるように、親友とドライブを繰り返した頃を思い出した。
2018/11/03
zirou1984
舞台は1940年代後半のアメリカ、それはロックンロール成立以前でありジャズが最もトべる音楽と言われていた時代。ジャズに理論はあれど定型は存在せず、絶頂の一瞬を追い求めるためフレーズは変幻自在に変化する。家族からも宗教からも、国家からも切り離させられたビートニク世代の象徴的作品である本作はそうしたバップ時代のジャズそのものだ。卓越した技術と感性を持ちながらも安易な物語性を良しとせず、イカしたビートの上にまだ見ぬ興奮をと縦横無尽にアドリブが吹きすさぶ。旅に出よう、まだ見ぬ景色を。その感覚が全てさ、それが全て。
2013/04/28
Miyoshi Hirotaka
若い時の友人と長い空白の後に再会しても、瞬く間に当時の雰囲気に戻れるのは、その時、その年齢でしか出来なかったことが、突拍子なく、非常識で、非生産的でも記憶の底に刻まれ、成長と人格に影響したから。トム・ソーヤは筏で旅をし、スタンド・バイ・ミーの少年たちは死体を探しに旅に出た。この物語は復員した若者がアメリカを縦横無尽に旅する。無軌道な行動は時代を表現し、放浪をテーマにした後の世の若者の行動に影響した。当時、ヒッチハイクで安全な旅ができ、旅先での働き口に困らず、高速運転可能な車と道路があったのは新鮮な発見。
2023/01/25
感想・レビューをもっと見る