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クーデタ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-5)

クーデタ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-5)

クーデタ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-5)

作家
ジョン・アップダイク
池澤夏樹
出版社
河出書房新社
発売日
2009-07-11
ISBN
9784309709574
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クーデタ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-5) / 感想・レビュー

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starbro

世界文学全集完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11684481?sort=book_count&order=desc 第十七弾Ⅱ-05、アメリカを代表する作家ジョン・アップダイクが描く, アフリカの架空の国のクーデタ劇、興味深く読みました。 続いてⅡ-06へ。 https://www.kawade.co.jp/np/special/3677774465/

2021/08/23

ケイ

アップダイクが、あの「ウサギ」のアップダイクが、アフリカの独裁者を半ば彼の独白で描く。彼はジャーナリストであったのだと、得心した。フランスに翻弄された母国、種族同士の争いとレイプで生まれたという出自。アメリカへの留学。アフリカ生まれの黒人が、白人家庭の同級生と付き合い、彼女の家で黒人のメイドを見る時の印象など、とてもシュールだ。砂漠でのことも何もかもシュール。アフリカでアメリカがどう見られているかも、ちゃんと描く。しかしね、一つだけ詰めが甘いと思うの…、女性に優しすぎるヤンキーが抜けきってない気がした。

2018/04/24

藤月はな(灯れ松明の火)

強姦されて生まれたが、フランスのために戦い、西欧の資本主義教育を受け、王から位を簒奪し、大統領になったイスラム教徒のエレヌー。ファノンが『地に呪われたる者』で「革命も結局は西欧の帝国主義の概念でしかない。それで得られた独立は真の独立でも勝利でもない」と批判していたことをこの本を読んで思い出した。また、自国を西洋の資本主義に染められまいとする彼がクトゥンダに批判される所は『マクベス』を連想してしまう。そして西洋の教育を受けた彼がイスラム教の一面で妻を押さえ込もうとしたのに対し、彼の妻が揃って西洋的なのも皮肉

2017/07/09

秋良

アフリカの架空の国で、イスラム社会主義に基づいた独裁政を敷く大統領。アメリカの援助を突っぱねるも、クーデターにより大統領の座を追われてしまう。アフリカからの留学生という、外の視点を持って内側から眺めたアメリカは、何だろうなあ、生きづらそう。資本主義社会は幸福とは言い難いが、社会主義がうまくいかないのは、人間はやっぱり貧しいのが嫌だからでしょう。

2019/07/06

かもめ通信

「読みやすいか?」と問われれば、迷わず「読みにくい」とこたえる。 「好きか嫌いか」と問われれば、おそらく「嫌い」と応じ、「面白いか?」と問われれば、少し迷って「面白い」とこたえる。 「お薦めかどうか?」と問われれば、問う相手を見て答えを変えるに違いない。 つまるところ、かなり癖のある作品だということだ。 そうではあるが「クーデタ」とか「内乱」とか「○×の春」とかいう言葉が、再び盛んに話題にのぼるようになった今だからこそ、大国に踊らされる国や人びとを描いたこの作品も、ますます読まれるべきなのかもしれない。

2014/03/02

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