賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)
賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2) / 感想・レビュー
starbro
世界文学全集完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11684481?sort=book_count&order=desc 第二十二弾(ゾロ目だにゃあ)Ⅱ-10です。本書は、亡命ロシア人作家の自伝的長編でした。【読メエロ部】としては、『賜物』ではなく『ロリータ』を収録して欲しかったです。 続いてⅡ-11へ。 https://www.kawade.co.jp/np/special/3677774465/ 本書で9月は読了です。
2021/09/30
優希
幻想のような世界を漂っているようでした。亡命ロシア作家・ヒョードルが作家へと歩みの中で、文学への想いが垣間見えるようでした。途中で挟まれていく詩がとても美しい。重厚な物語の調べにのせて、芸術の花を開花させていく様子は、ナボコフの創作意欲と比例しているような気がします。理想と志がありとあらゆる場面から香るようでした。世界の美の全てを活写したような情緒を感じます。色彩感覚豊かで奥深い作品だと思います。
2016/04/18
藤月はな(灯れ松明の火)
ナボコフが亡命し、作家となるまでの半自伝的小説。しかし、並べられているジョイスの『若い芸術家の肖像』と比べると多すぎる比喩と捻くれまくった文章による長文に苦戦し、分り難くかったです。しかし、「ロシア文学は日付は曖昧だが、年はちゃんと明記する」などのロシア文化の一端やナボコフ自身の色聴への言及、音律とエスプリを重視した言葉遊びもあり、その部分は興味深かったです。
2017/09/12
燃えつきた棒
沼野先生の訳ではあるが、数多の文学的な技巧や趣向を散りばめた小説だとは思うが、メタよりもベタ、軽みよりも重さが好きな僕には合わなかった。 最初、100ページほど読んで、長く積読状態にしておいた。 もはや、何が書いてあったのかもほとんど忘れていたので、シーシュポスのごとく、粛々と振り出しへと戻った。 集中力に乏しく、興味が拡散していってしまう僕にはありがちなことだが、ひょっとしたら、物語の方もいささか駆動力を欠いていたのかも知れない。 (と、自らの無能を他人の所為にする、全く悪い癖だ!)
2022/01/05
Tonex
ロシアからドイツに亡命した青年の日常を描く。▼読みやすい新訳。しかし、面白くない。かなり苦戦してとりあえず一通り目を通したが睡魔との戦いだった。ナボコフは2回以上読んで初めて面白さがわかるタイプの作家なので、本当はすぐに再読に取りかかるのが正しいが、疲れたのでしばらく寝かせることする。▼今日の名言「自然界でも芸術でも、一番魅力的なものはすべて人をだますことで成り立っているんだ。」577頁。▼凝った文体。一読しただけでは意味がよくわからない表現が多いが、それだけに意味がわかったときの喜びは大きい。
2016/05/31
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