追憶の東京 下町、銀座篇 (らんぷの本)
追憶の東京 下町、銀座篇 (らんぷの本) / 感想・レビュー
ヒロミ
繊細なペン画で描かれた東京の懐かしい銀座と下町。川本三郎さんの文章もいい。ペンだけでここまで描けるんだー!とびっくりした本です。遠くを走る都電の音が聞こえてきそう。
2016/01/03
とみやん📖
小針美男さんのペン画がとてもいい風合いを出している。銀座や上野などの都会以上に、墨東、すなわち向島や葛飾あたりの田舎の風景がよい。きっと自分が田舎育ちで、子供の頃の原風景を思い出すからだろう。木造家屋が緑や水辺の自然に囲まれて慎ましくも人の生活が感じられる佇まいが好ましい。著者の言葉で言えば、固くて冷たいのではなく、柔らかくて温かい景色といったところだろうか。居酒屋の絵もいいなあ。
2020/03/08
JunKawa
かつて、どこかで見た風景が細密なペン画によって描かれると、全く別の魅力が見えてくる。それは、画家小針美男の力量に負うところ大であるのはもちろんだが、併せて、モダン都市東京が潜在的に持っていた魅力なのだろう。千代田区神田の淡路町にあった名門映画館・シネマパレスに行ってみたかった。
2015/09/01
pjolpjol
今は無き東京の風景をペン画と随筆で綴った本です。絵のサイズや解説文のフォントが小さくて、読むのに苦労しました。この本は、昭和20年代から30年代、昭和の終わり、平成初めくらいまでの間にことごとく再開発で破壊されてしまった最早幻想の東京を描いています。読みにくいのを別にすれば、ああ、こんな情緒あふれる東京をこの目で見たかったと思います。それは小津、成瀬の東京であり、映画の中の東京です。
2020/02/09
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