日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08)
日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08) / 感想・レビュー
starbro
池澤夏樹=個人編集 日本文学全集全30巻完読チャレンジ第十弾です。ようやく1/3終了です。千年近く前の説話集なので、退屈ではと読み始めましたが、今までの中でもBEST3に入る面白さです。伊藤比呂美訳の「日本霊異記」のエロさにまずビックリ(性的な用語がカタカナで乱発されます)しました。最高なのは町田康の超現代語訳「宇治拾遺物語」です。面白過ぎかつパンクな内容です。「宇治拾遺物語」だけでも読む価値があります。こういうテキストで勉強したら古文好きの学生が増えるんじゃないかなぁ!文部科学省は参考にするように。
2015/09/30
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
日本霊異記をモチーフにした本「狐と鞭」からこの本の日本霊異記のみ読む。改めて「狐と鞭」はあくまで"モチーフ"だったのだな、と再確認。 断片的な昔がたり、説話に心惹かれるようになったのは柳田邦男の影響。日本霊異記は平安時代初期なので物語として粗削りでぶつ切りで、因果応報的な仏教観も原石のような感じなのがとても興味深い。こういうふしぎな話が至るところにあって、僧の語りなどで全国に派生していったのかな、と想像するのも楽しい。いつか全文を読みたい。 次は「鬼棲むところ」からの今昔物語予定。楽しいです♡
2020/09/13
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
次は今昔物語をモチーフにした本「鬼棲むところ」から今昔物語のみを。日本霊異記と比べても、ひとつひとつの説話に物語性が増して話の長さも長くなっていて面白い。 印象深いのは親が子を捨てる話に対しての評価の違い。現代なら確実に母親のせいにされるところを"子を捨ててまで自分の貞操を守ろうとするところが素晴らしい"と評価されるんだから。それぞれの物語も制約がない感じでおおらかな雰囲気。すべて仏教にむりくりこじつけていくラストは思わず笑ってしまうけど。福永武彦さんの現代訳は力が入ってなくて誠実な感じがして好きです。
2020/10/26
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
今回は話題の町田康さん訳宇治拾遺物語を。うん♡やっぱり安定の面白さ( ´͈ ᵕ `͈ )なんてくだらなくておバカさんでおおらかな話たちなの♡♡明らかに"いやいや、原文絶対そんなこと書いてないでしょ"的なこともリズムや感覚優先で軽々と描いちゃう町田さん訳たまりません。他にもたくさん古典を訳していただきたいですが小説執筆もあるし難しいのでしょうね。もっと読みたい。 瘤とり爺さんが宇治拾遺物語出典だったのは知りませんでした。あー、笑けて幸せなお正月でした。
2021/01/02
KAZOO
この巻は、昔の説話集から現代作家が抄訳をしたものを収録しています。池澤さんが伊藤さんや町田さんにご自分で選んで現代語訳に頼んだのだと思います。今昔物語は昔にもう少し多くの内容のものを父親の福永さんの訳で読んでいます。説話とは言うものの内容は滑稽話のようで読みながら笑ってしまうところもあります。
2015/09/25
感想・レビューをもっと見る