ドッペル (ものがたりうむ)
ドッペル (ものがたりうむ) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
基本的に、多数の……が……であったという話。「ドッペル」というタイトルの意味は、もっと強力にこの点にかかっている。特定の時代や場所・国を想定していないようで、全体を寓話として読むべきだろう。予定調和として伏線が回収されてしまうのが、かえって蛇足のように思える物語。ここで話を未来に開けた形になっていたら、もっとおもしろくなっていたかもしれない。
2013/11/11
つきと
平行世界かと思ったらタイムトラベル、でもなくて死に際の走馬灯かと思いきや老人が見た夢。万華鏡のような不思議な物語。見方によって解釈は変わるし読む人によっても変わる。ドゥンケルとナーメンロスの憎まれ口の叩きあいが楽しい。
2009/11/11
卯月
再読。ぼくはこの世の時間や場所の外にいるのかもしれない。名前も何も覚えていない少年「ぼく」は、知りたいことを知るために、不思議な知恵があるという爺さんを探しに行くことになったが。買って初読した十代の時は、話の方向が期待と違って「え、こんなオチ?」と落胆した覚えがあって、再読したら手離そうと考えていたのだが、今読むとこれはこれで味わいがあるな。児童書ではあるが、老人が自分の人生を振り返る感慨は、大人になってから読んだほうが理解できるのかも。相棒のトカゲのドゥンケルが面白い。「長い旅だったなあ、ナーメンロス」
2015/08/03
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