「わかる」ことは「かわる」こと
「わかる」ことは「かわる」こと / 感想・レビュー
おさむ
解剖学者と物理学者による文系と理系の断絶を憂う対談。10年以上前の本ですが、ますます両者の分断は進んでますね。題名の通り「学ぶ」ということは自分が「変わる」ことで意味がある。知識をいかに現実に変換していくかが大事なんですね。養老先生の「本当の私があると思うのは大間違い。自分というものは外枠からできていくものというのが本来の日本の考え。だから、年をとればとるほど、自分が出来てくる」という言葉に至極納得。「1日15分でいいから、人間がつくらなかったものを見なさい」という台詞は究極の教えのような気がしました。
2016/09/17
Kikuyo
対談なさっている二人は、何気なくおしゃべりしているようなのだが、どの言葉も深くそして楽しい。「1日15分、人間がつくらなかったものを見る」人間のルールがはいってないものから学びなさいという意味だと思うのだが、本当にそうでもしないと現代人は心身のバランスさえ危うくなっている。宇宙、音楽、言葉、意識、教育、脳と話題も多岐にわたりながら、どれもわかりやすく話がすすむ。科学や数学を単に難しいものと捉えず、自分なりに理解を深めたい、それにはおそらく感性というものは大きな鍵になる。時折読み返したい1冊。
2015/11/21
タニッシュ
超ロマンティストの佐治晴夫の言葉遣いが優しい。同じことを2人が話していても、やはり響きの良い言葉を遣うのは大切だなと、活字になると尚更。 内容はとても分かりやすく、へええ、という事柄も有り、こういう知識をたくさん持ちたいなと憧れます。
2013/09/28
ochatomo
学ぶというのは冒険 2004刊
2016/11/28
sasuke
「因果関係は耳で理解する」という項目で(p. 168)聴覚優位,映像優位の話題が出てきて,興味深かった。 ソシュールを加味して,私なりに整理すると, 1)「耳」「物語」「(直線的に進む)因果関係」=シンタグム 2)「目」「説明」「(並列でパラパラと選択するが立ち止まる)並列関係」=パラディグム 佐治先生の風のようにさわやかな言葉を読んでいると,心が洗われます。 聖書の原典では「己の欲せざるところ人に施す事なかれ」のようだったというは驚きだった(p. 110)。
2012/04/11
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